[ロンドン 9日 ロイター] - 米イラン間の緊張が再び高まったことを受け、ホルムズ海峡で石油タンカーの航行が9日、ほぼ停止状態に陥ったことがデータ分析の結果や関係者の話で分かった。米国がイランに対する空爆を再開し、これに対しイランが湾岸地域で報復措置に踏み切ったことで海運リスクが急速に高まっている。
9日朝の時点でホルムズ海峡を通過したタンカーは2隻だった。調査会社ケプラーの分析によると、1隻はイランのカーグ島で積載した米制裁対象の超大型原油タンカー。もう1隻はマーシャル諸島船籍のケミカルタンカーで、LSEGの船舶追跡データによるとアラブ首長国連邦(UAE)のシャルジャ付近で積載した。
リスタッド・エナジーの地政学分析責任者ホルヘ・レオン氏は「ホルムズ海峡のタンカー航行は事実上停止している」とし、「これは現時点のリスク認識の高さを示すもので、 米国やイランが発するいかなる声明より雄弁に現況を物語っている」と述べた。
海運関係者らによると、船舶が自動識別装置(AIS)を切るケースが増えており、通過する全ての船舶の把握は難しくなっているという。過去2週間は1日当たりの通航量が平均40隻と上昇していたものの、米イランの交戦開始前の1日平均125─140隻を大幅に下回って推移している。
ホルムズ海峡では今週初め、計3隻のタンカーが攻撃を受け、米国はイランを非難。米軍によるイラン南部の沿岸地域や東部州への空爆の報復として、イラン軍は9日、近隣の湾岸諸国にある米軍のインフラ施設を攻撃。イランの革命防衛隊の海軍は、米国によるイラン攻撃や航路変更への介入が、海峡の段階的な再開を妨げていると主張し、米国がさらに介入すれば「壊滅的な反撃」を招くと警告するなど、緊張が高まっている。
7日に攻撃を受けたカタールの液化天然ガス(LNG)タンカーは、オマーン沖で立ち往生を続けている。保険業界関係者によると、船舶への攻撃を受けて、戦争保険引受会社は海運会社に対して海峡の航行を一時停止するよう呼びかけるなどしている。