[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は9日、中東での紛争が再燃したものの、年内にエネルギー価格が持続的に上昇することはないとの見方を示した。
ウィリアムズ総裁は同連銀主催の会議で「市場は依然として、今後6─12カ月で原油価格が下落すると予想している。これはかなり妥当な基本シナリオだと思う」と指摘。その上で「エネルギー価格はピーク近辺に達した後、徐々に低下していく可能性が高いというのが私の基本的な見方だ」と述べた。
7月28─29日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で、最近の情勢を踏まえ、利上げを検討するのかとの質問に対し総裁は、「分析プロセスに着手すらしていない」と回答。「われわれは6週間ごとに会合を開いている」とし、今回の決定が全てを決めるわけではないとの見方を示した。
また、インフレ率は依然として「高すぎる」とし、金融政策ではエネルギー価格がインフレに与える影響に注目していると説明。連邦準備理事会(FRB)はインフレを巡るシナリオを積極的に議論しているとし、「金融政策がデータにどう反応するかを見守る必要がある」と述べた。
さらに、人工知能(AI)投資はインフレの押し上げ要因になるとしつつ、長期的にはプラスの供給ショックになるとの見方を示唆。その上で、基本シナリオではAIの幅広い利用が生産性を押し上げると見込んでいると述べた。
ウィリアムズ総裁は7日のテレビインタビューで、米経済の物価圧力の現状について懸念がやや後退したとの見方を示し、「今後、エネルギー価格の下落が見込まれるため、短期的なインフレ見通しについては幾分楽観的になっている」と語った。
しかし、こうした見通しは中東での戦闘再開により早くも修正を迫られる形となった。トランプ米大統領がイランとの戦闘終結に向けた覚書は「終わった」と発言する中、年内のエネルギー価格上昇とインフレ加速のリスクは高まり、FRBが物価圧力を抑えるために利上げを迫られる可能性も高まっている。