ベトナム政府は活動家や反体制派への締め付けを強化している。タイの首都バンコクに本拠を置くベトナムの人権擁護団体「プロジェクト88」が6月末に発表した報告書によると、2025年には政治犯の逮捕が過去7年で最多の56件に上った。逮捕者のうち15人には既に判決が下り、残る41人は「公判待ちか裁判なしで拘束されている」という。

逮捕急増の背景として、報告書は前公安相のトー・ラムの権力掌握を挙げている。ラムは24年にベトナム共産党書記長に就任し、今年4月から国家主席を兼務している。

ラム指導下でベトナムは「警察国家」と化したと、報告書は主張。「刑法を武器化して、人権活動をする市民を逮捕・投獄する動きが常態化している」と警告を発した。

逮捕者には10月に逮捕され刑法第117条違反で起訴された反体制作家のフイン・ゴック・トゥアン、タイで逮捕されベトナムに引き渡された山岳民族の活動家イー・クイン・ブダップらが含まれる。南北高速道路建設のために強制収用された土地の適正な補償を求めるハティン省住民の請願運動を支援した土地権利活動家のファム・ベト・コンも昨年7月に逮捕された。

昨年6月には、YouTubeのニュースチャンネル「グオイ・ドゥア・ティン(メッセンジャー)」の3人の運営者も逮捕され、「政治体制内の個人や組織を標的にして、内容を歪曲した」動画を公開した罪で起訴された。

公安省が警戒するのは「平和的進化」と「カラー革命」だ。プロジェクト88によると、同省はこの2つの動きを「ベトナムの社会主義体制の転覆とベトナム共産党の指導的役割の排除を目指す、アメリカはじめ西側主導の敵対勢力の基本的かつ長期的な戦略」と見なし、その脅威を未然に防ぐために弾圧を強化しているという。

死文化していた条文を悪用
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