Takahiko Wada

[東京 9日 ロイター] - 日銀が9日に開いた支店長会議では、輸出・生産について、中東情勢の緊迫化で下押しの影響がみられるものの、原材料の代替調達の進展や輸送経路の見直しなどで「大幅に減少する可能性はひと頃よりも低下している」との報告が多く出された。その一方で、人工知能(AI)関連需要の高まりが生産や設備投資に幅広く好影響をもたらしているとの見方が示された。

日銀が同日午後、支店長会議での報告事項を発表した。

AI関連では、半導体製造装置や電子部品の受注が一段と増加しているとの報告に加え、電力・電源装置や通信設備、金型などにも関連需要が波及しているとの報告が多かった。設備投資については、AI関連需要の中長期的な拡大期待に基づく能力増強投資や研究開発投資などで「積極的な投資スタンスが維持されている」との報告が多かった。

前回4月の支店長会議では、中東情勢の今後の展開次第では「地域の景気を下押しする可能性がある」との報告が出ていたが、今回は中東情勢への警戒感が後退し、AI関連需要の好影響への言及が目立った。

併せて発表した7月の地域経済報告(さくらリポート)によると、9地域中全ての地域で景気の総括判断を前回(4月)から据え置いた。生産については、北陸地方だけが判断を引き上げたが、AI関連需要の高まりが追い風となった。

<素材業種の値上げ、「従来より速いペースで」>

支店長会議では、賃金について、企業収益が高水準で推移するもとで、中小企業を含め、今年度に「25年度並みの高水準の賃上げを実施した企業が多い」との報告が多数出された。

一方、企業の値上げが積極化するもとで、中東情勢の影響を受けて素材業種の企業間取引では「従来よりも速いペースで価格転嫁が進んでいる」との報告が多数あった。食料品や日用品などの消費関連企業でも、中東情勢を理由とした値上げを検討しているとの報告が多く、値上げの時期は「夏場以降を予定している」との声が聞かれるとの報告があった。

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