Andrius Sytas

[ビリニュス 8日 ロイター] - リトアニアのナウセーダ大統領は8日、北大西洋条約機構(NATO)がバルト3国で実施してきた航空警戒(エアポリシング)任務を「防空」任務へ格上げすることで合意したと明らかにした。格上げにより、任務に当たる戦闘機パイロットには「脅威となる飛行物体」の撃墜など、より広範な権限が付与される。

NATOの航空警戒任務は、独自の戦闘機を保有していないリトアニア、ラトビア、エストニアの防空を支援するため、3カ国のNATO加盟直後の2004年に開始された。任務では、3国周辺を飛行するロシア軍機の監視や識別、必要に応じた緊急発進(スクランブル)を実施している。

ナウセーダ氏は、NATO首脳会議が開かれたトルコの首都アンカラで記者団に、従来の航空警戒任務について「平時を前提としており、戦闘機が異常事態に対応して護衛飛行を行うことで抑止効果を示すものだ」と説明。その上で「現在の安全保障環境はもはや完全な平時ではない」と述べ、任務見直しの必要性を強調した。

エストニアのツアフクナ外相もXへの投稿で、新たな任務体制によって「航空上の脅威に対して、より柔軟かつ迅速な対応が可能になる」と歓迎する姿勢を示した。

現在の任務では、ロシア西部の飛び地カリーニングラードやフィンランド湾周辺の国際空域を飛行するロシア軍機に対し、NATOの戦闘機が出動して識別・監視を行っている。

任務はロシアによるクリミア併合後の14年に拡充され、現在はNATO加盟国が交代で派遣する十数機の戦闘機が、バルト地域の2カ所の基地から運用されている。

ただ今年に入ってからは、エストニアとラトビア上空でウクライナのものとみられる漂流してきたドローン(無人機)を撃墜。NATOは航空警戒任務による武器使用が同盟防衛のために行われた初の事例だったと説明しており、従来の方式に疑問が投じられるかたちになった。

昨年には、エストニア当局がロシア産原油を運ぶ「影の船団」とされるタンカーの拿捕(だほ)を試みた際、ロシア軍が同船を護衛するためSu35戦闘機を派遣し、NATOの戦闘機も緊急発進する場面があったが、直接の交戦には至らなかった。

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