Anushree Mukherjee
[8日 ロイター] - 原油価格は8日、6%以上上昇し2週間ぶりの高値を付けた。トランプ米大統領が、イランとの紛争終結に向けた覚書が「終わった」と発言し、中東からの原油供給が途絶するとの懸念が再燃した。
0948GMT(日本時間午後6時48分)時点で、北海ブレント先物は4.57ドル(6.16%)高の1バレル=78.73ドル、米WTI先物は4.23ドル(6.01%)高の74.67ドルと、6月22日以来の高値水準。
北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開催されているトルコのアンカラでトランプ氏は、イランとの覚書について「終わったと思う」と述べ、「彼らと関わりたくない」、「私に言わせればイランと関わるのは時間の無駄だ」と述べた。
7日は、イランによる商船攻撃を受けて米軍がイランを攻撃、米財務省は、イラン産原油取引に関する一時的な制裁緩和措置の取り消しを発表し、原油価格は約3%上昇していた。
サクソバンクのアナリスト、オーレ・ハンセン氏は「船舶への攻撃再開や米国とイランの関係のさらなる悪化により、ホルムズ海峡を通じた輸送の正常化が遅れるリスクを再び織り込まざるを得なくなっている」と指摘した。
MSTマーキーのリサーチ部門責任者、ソーク・カボニブ氏は「覚書が終了というトランプ氏の主張は、エスカレーションの連鎖が再び始まり、海峡が再び封鎖される可能性を高めた」と述べた。
船舶追跡データによると、少なくとも4隻の石油・ガスタンカーがホルムズ海峡通航を試みたものの引き返した。
ハンセン氏は「根本的な供給課題は消え去ってはいないが、今回のエスカレーションによって(解決が)中断された」と付け加えた。
6月の覚書署名後、原油価格は2月末の開戦前の水準まで下がり、トレーダーはさらなる下落を見込んで原油先物のポジションを大幅なショート(売り持ち)にしていた。
SEBのチーフコモディティアナリスト、ビャルネ・シールドロップ氏は「現在の市場のファンダメンタルズ(基礎的条件)には、70ドルよりも80ドルに近い価格のほうが整合している」と述べた。