[台北 8日 ロイター] - 台湾の海上保安部門を統括する海洋委員会の高官は8日、中国が段階的に圧力を強めることによって台湾海峡に全く新しい状況が生み出され、国際社会が気づいたときには手遅れになっている恐れがあるとの見解を示した。
同委員会の管碧玲主任委員は台北で開かれたフォーラムで、中国が南シナ海などでの行動を通じ、台湾だけでなく日本やフィリピンにも圧力をかけていると指摘した。こうした「グレーゾーン」活動の最大の危険性は、圧力が段階的に強まることで、ほぼ気づかれないうちに現状が変更される恐れがあることだと述べた。
「個々の行動自体は国際的な危機を引き起こすようには見えないかもしれない。圧力が強まるたびにまだ戦争には至っていないと判断される可能性もある。しかし、一連の行動が積み重なれば、完全に新しい状況が生み出される可能性がある」と語った。
また中国の圧力の増大は時間の経過とともに海運航路の変更や保険会社によるリスクの再評価につながり、現場の要員がより大きな圧力にさらされる恐れがあると指摘した。
「国際社会は個々の事案について『まだ危機ではない』との判断を繰り返すことで、決して正常と見なされるべきでない事態に次第に慣れてしまうかもしれない」と警告。「最終的には決定的な戦争が起きたわけでもないのに、かつての状況がすでに失われていることに突然気づくことになるかもしれない」と語った。