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独立宣言の採択から250年を迎えたこの夏は、アメリカ経済をめぐる最大の神話の1つを見直す格好の機会でもある。アメリカの繁栄はレッセフェール(自由放任)資本主義の上に築かれたという神話だ。

アメリカには建国当初から、官民ハイブリッドの経済モデルがあった。政府は国家的な優先事項のために企業活動を方向付け、補助金を出し、時には救済する。自由市場が理想として繰り返し称賛される一方で、政策運営は実利を重んじるものだった。

この歴史の始まりは、バラク・オバマの医療保険制度改革でもなく、フランクリン・ルーズベルトのニューディール政策でもなく、初代大統領ジョージ・ワシントンにまでさかのぼる。

1791年、初代財務長官アレグザンダー・ハミルトンは議会に「製造業に関する報告書」を提出。産業政策の必要性を論じ、繊維や衣料などの新興産業は政府の保護なしではイギリスの成熟した産業と競争できないと指摘して、将来を担う産業を関税や補助金で育成すべきだと提案した。

当時の議会は農業中心の考え方が根強く、報告書は当初は棚上げされた。しかし、歴史はハミルトンに軍配を上げた。彼の思想は1世紀にわたり、国の経済政策を方向付けたのだ。

ヘンリー・クレイ国務長官の「アメリカン・システム」にも北部の工業化を後押しした保護関税にも、大陸横断鉄道を実現した連邦政府の土地供与にも、ハミルトンの思想が色濃く刻み込まれていた。

建国当時の実利主義が消えることはなかった。冷戦は軍産複合体を築き、国防高等研究計画局(DARPA)はインターネットを開発し、NASAは数々の技術を民間に移転した。連邦政府の調達契約は航空宇宙および半導体産業を支えた。

それでも自由放任主義のアメリカという神話は、国民的な信仰であるかのように語り継がれ、理念と現実が乖離した後も生き続けた。その考えは世界にも輸出され、時に他国の現実的な経済発展を妨げた。

市場も国家も使う実利主義

筆者が共著者として1月に発表した論文「積極的な産業政策国家としてのアメリカ」は、こうしたレトリックと現実の隔たりを検証している。

1973~2022年に議会が制定した法律1万2167本と大統領令6030本を大規模言語モデル(LLM)を用いて分析したところ、重要な産業政策の法律は267本、大統領令は187本あった。半世紀にわたり年平均9本を超える産業政策が導入されてきたことになる。

リチャード・ニクソンからジョー・バイデンまで、歴代大統領は新たな産業政策を打ち出してきた。民主・共和両党の違いは政策の本質ではなく、程度の差にすぎない。

今、振り子は明らかに国家主導型の経済政策へと揺り戻っている。CHIPSおよび科学法や、インフレ抑制法、ドナルド・トランプとバイデンの両大統領が打ち出した強硬な関税政策は、アメリカの伝統から質的に大きく逸脱するものではない。

現在の議論は、社会主義を警戒する側と果実の公平な分配を求める側の対立に終始して、歴史の連続性を見落としている。しかし、アメリカが純粋な自由放任経済だったことなど一度もない。競争力のある民間部門を成長のエンジンとして維持しながら、自由放任主義の失敗と見なす場面では、国家権力を戦略的に行使してきた。

過去250年にわたりアメリカ経済の成功を導いてきたのは、市場か国家か、どちらか一方への教条的な信奉ではない。その両方を使う実利主義だ。未来に目を向けるとき、その実利主義こそが、アメリカの重要な遺産になるのかもしれない。

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【note限定公開記事】建国250年で見直す「アメリカ経済最大の神話」

 

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