防衛や経済はフランスに依存
こうした政治的分断は、国内だけにとどまらない。
2014年、「ドイツの思い上がりが頂点に達していた時代」には、多くの人が「欧州を動かしているのはベルリンだ」と考えていた。
2014年刊行の『The Paradox of German Power(ドイツの力のパラドックス)』の著者でもあるクンドナニは、ドイツが欧州各国に対する影響力を失ったことで、大陸の「覇権国」という当時から実態とは異なる見方が、「以前より多くの人に誤りだと認識されるようになった」と語る。
「欧州におけるドイツの立場は、2014年よりもはるかに弱くなった」とクンドナニは述べ、とりわけ2016年以降は、防衛や経済政策でフランスへの依存が強まっていると指摘した。
それでもドイツが依然として豊かで高度に発展した国家であることに変わりはなく、高い技能を持つ労働力、強固な制度、そして世界有数の産業技術という大きな強みを備えている。
GDPでは2014年以降に日本を上回り、世界第3位の経済大国となったほか、輸出額でも世界第3位を維持している。また、EUで最も影響力のある加盟国であり、欧州で最も指導的な立場にあることは間違いない。
デービッド=ウィルプは、ドイツは「地政学的な現実に目を向け、防衛投資を大幅に拡大してきた」と評価する。最近の国防費増額は、ドイツが「欧州の軍事的リーダーとなることをもはやためらっていない」ことを示しているという。
しかし、2014年との対比は鮮明だ。
次のページ