自動車産業の危機

自動車生産は減少が続き、2017年の565万台をピークに、2026年には410万台まで落ち込むと予測されている。

同時に、電気自動車(EV)への移行をめぐっては、大手メーカーが戦略の修正を相次いで迫られ、ドイツ自動車産業の構造的な弱さが浮き彫りになった。従来型メーカーは、高い生産コストと需要低迷の板挟みになっている。

米国や中国といった主要市場で苦戦が続いていることを踏まえ、EYのアナリスト、コンスタンティン・ガルは今月、「2026年もドイツの自動車産業にとって危機の年になる」と、ロイター通信に語った。

こうした経済の停滞は、政治の分断も招いている。

極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の台頭によって国内政治は大きく変化し、同党は過去最高の支持率を獲得するとともに、地方選挙でも勝利を収めている。

世論調査では、AfDが連邦議会選挙の政党支持率で首位に立っている。英国のジャーナリスト、ジョン・カンプフナーは同党について「政権獲得を狙える位置にいる」と評し、9月の地方選で勝利すれば、「欧州全体の極右ポピュリズムにとって重大な分岐点になる」と指摘している。

移民問題は政治を左右する最大の争点となり、従来の政党の枠組みを超えた対立を生んでいる。その結果、2014年当時にはメルケル率いる中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と中道左派の社会民主党(SPD)による「大連立」が支えていた政治的な合意形成は崩れた。

英シンクタンク、チャタムハウスのシニアリサーチフェロー、ハンス・クンドナニは本誌に対し、2015~16年の難民危機がドイツ政治を「一変させた」と指摘した。AfDの支持拡大が続いている背景には、「白人以外の移民に対する強い反発」があるという。

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