[1日 ロイター] - 中国・北京で小型機が市内の高層ビルに衝突した原因不明の事故は、その後の規制当局の沈黙も相まって、低空飛行分野に冷や水を浴びせるとともに、首都の航空安全における不備を浮き彫りにした。

北京に拠点を置く遊覧飛行サービス業者、北京首都直升機はツアーを休止した。ロイターに対し「北京での安全に関わる事案を受け、全国的に運航停止となっている」と述べ、いつ再開できるか分からないとした。「1─2カ月かかるかもしれない。公式な通知も待っている」と話した。

東部青島でサービスを休止した青島恒翼通用航空は、運休の理由として管理上の措置を挙げ、規制がいつ解除されるかは不明だと述べた。

ロイターが国内に10万社超ある低空関連企業のいくつかに電話取材したところ、中国民用航空局(CAAC)による公的な指針を待つ中、現場に不透明感が広がっていることがうかがえた。

北京市朝陽区の当局は6月27日の声明で、「26日午後5時55分(日本時間午後6時55分)、単発2人乗りの軽量スポーツ航空機が朝陽(区)の東三環路付近を飛行中に高層ビルに衝突した」と発表した。

衝突したのは108階建ての「シティックタワー(中国尊)」で、操縦士1人が死亡し、現場で13人が巻き込まれ負傷した。区当局は事故の調査が進行中だと述べたが、死亡した操縦士の氏名を公表しておらず、ビル名にも言及していない。

北京日報が声明を伝えたが、新華社通信や中国中央テレビ(CCTV)など全国メディアはこの事案をまだ報じていない。中国の交流サイト(SNS)上ではその後、事故に関する議論が削除されている。

ロイターの記者によると、事故当日にシティックタワー周辺で写真や動画を撮影していた人々は、警察からスマートフォンの映像を削除するよう指示された。

<安全上の欠陥>

中央政府や共産党の指導部が置かれる恒久的な飛行禁止区域に隣接するエリアに、小型機がどのようにして進入できたのかは明らかになっていない。

オーストラリアのコンサルティング会社アビエーション・プロジェクツのマネジングディレクター、キース・トンキン氏は「詳細が分からない段階ではあるが、この事案は意図的か否かにかかわらず同様の事態を防ぐ航空・防衛当局の能力に不備があることを露呈した」と指摘した。

「今回の事案を受けて、航空機が意図的または偶発的にビルや重要インフラに衝突するという、低いながらも現実的なリスクを管理しつつ、いかに低空経済の価値を引き出すかについて、さらに慎重な検討が重ねられることになるのは間違いない」と語った。

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