代償を払わされるのは選手

あらゆる工業的プロセスの目的は効率性の改善にある。サッカー界でもますます予測可能性が追求されるようになっているのだ。

放映権収入が過去最高に達し、出場チーム数も増えるなか、代償を払わされるのは選手たちだ。強豪クラブの選手は、1シーズンに70試合ほどを戦うこともある。その結果、W杯が始まる頃には疲弊し切っている。

14年ブラジル大会でコスタリカを大番狂わせでのベスト8進出に導いたコロンビア人監督のホルヘ・ルイス・ピントは本誌に懸念を語る。

「選手たちは多くの試合を戦いすぎた状態で大会に入る。準備期間も少ない。気温も非常に高くなるだろう。試合会場が3カ国に分散することによる移動の負担も見過ごせない」

W杯が世界最高レベルのチームだけが競い合う舞台でなくなったと嘆く声もある。「大会の興奮や競技の質が少し失われたように思える。決勝トーナメントが始まるまで本当の大会が始まらないような感じだ」と、元アメリカ代表FWのクリント・デンプシーは言う。

今回のW杯は、メッシとクリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)にとって最後の舞台になる可能性が高い。今後はエムバペやラミン・ヤマル(スペイン)といった選手がその役割を引き継ぐと期待されている。サッカー界は何度も深刻な危機に直面してきた。そしてそのたびに新たなスターが現れ、前の世代の伝説的なプレーヤーに取って代わってきた。

サッカーは「美しいゲーム」と呼ばれてきたが
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