過去6回のW杯における財源別のFIFAの収入
W杯は金儲けマシンに

サッカーの構造と精神まで変質

FIFAのモデルは、普段はサッカーを見ないもののW杯観戦にはお金を払ってもいいと考える人々を標的にしているが、その層を呼び寄せることにもあまり成功していないのだ。

それに輪をかけて深刻なのは、FIFAが新たなファンを獲得しようとする過程で、サッカー文化を築いてきた人たちを徹底して排除してきたことだ。このスポーツを深く理解し、サッカー愛を次世代へ引き継いでいく人たちを遠ざけている。

「サッカーに必要なのは観客ではない。ファンだ」と、FSEのエバインは語る。「試合会場に足を運んでいた人たちが締め出されるのなら、W杯を招致することに意味はない」

W杯開幕が近づくにつれて、専門家や指導者、ジャーナリストの間で、サッカーの本質が変わってしまったという感覚が広がり始めていた。チケット価格だけの話ではない。競技の構造と精神まで変質しつつある。

「サッカーが工業のようになった」と、EMリヨン経営大学院のチャドウィックは言う。「マンチェスター・シティーのジョゼップ・グアルディオラ(前監督)は32人のデータアナリストを擁していたが、70〜80年代のアルゼンチン代表では、ベンチでたばこを吸うセサル・ルイス・メノッティ監督の隣にコーチが1人いる程度だった」

代償を払わされるのは選手
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