Fransiska Nangoy Gayatri Suroyo

[ジャカルタ 1日 ロイター] - インドネシア統計局が1日発表した5月の貿易収支は16億1000万ドルの赤字となり、6年ぶりに赤字を計上した。コモディティーの出荷低迷で輸出が予想外に減少する一方、輸入が急増した。6月のインフレ率は加速し、中央銀行の目標レンジ上限に一段と近づいた。

資源が豊富なインドネシアは2020年5月以降、貿易黒字を毎月維持してきたが、燃料輸入の増加やルピア安、輸出低迷を背景に、5月以前の数カ月間、黒字幅は縮小していた。5月の赤字幅は2019年4月以来最大となった。

DBSのエコノミストは、原油高とルピア安の影響について「地政学的緊張の緩和で原油指標価格が大幅に調整しており、6月には影響が和らぐ見込みだ。交易条件が改善し(第3・四半期以降は)対外部門の圧力が軽減されるだろう」と述べた。

ロイターがまとめたアナリスト調査では11億2000万ドルの黒字が予想されていた。4月は9000万ドルの黒字だった。

5月の輸出は前年比5.73%減の232億ドル。ロイター調査の予想中央値は5.20%増だった。鉱業製品の輸出は7%減少した。

鉱業製品の輸出は7%減少した。石炭と鉄鋼製品の1─5月の出荷は量・金額ともに落ち込んだ。

輸入は22.16%増の248億1000万ドルとなり、予想の18.26%増を上回った。原油の高騰と輸入量の13%増を反映し、石油製品の輸入が99.5%急増したことが要因となった。

原材料の輸入も前年比25.2%増加、鉱物性燃料、プラスチック類、鉄鋼製品が最も大きく伸びた。フランスからの複数のジェット機納入も輸入増の一因となった。

統計局が別途1日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.34%と、5月の3.08%から伸びが加速し、3カ月ぶり高水準となった。ロイターがまとめた予想中央値の3.20%を上回り、インドネシア中央銀行のインフレ率目標(1.5─3.5%)の上限に近づいた。

補助金対象外の燃料価格上昇が輸送コストに影響したほか、物流コスト上昇が一部の食品価格に波及した。ルピア安もコストを押し上げた。

当局による管理価格と変動の大きい食品の価格を除いたコアインフレ率は2.76%と、前月の2.59%から上昇した。エコノミストは2.61%上昇と予想していた。

バンク・ペルマタのエコノミスト、ファイサル・ラフマン氏は「現時点では、状況がさらに悪化すれば年内に中銀が追加利上げする可能性を排除しない」と指摘。「ただ基本シナリオは、中銀が政策金利を5.75%に据え置くというものだ。直近の利上げが(第4・四半期末までの)米国の利上げの可能性を既に織り込んでいるとみているためだ」と語った。

中銀は6月、ルピア安に歯止めをかけインフレを抑制するため、予定外の緊急利上げを含め政策金利を2回引き上げた。中銀は5月半ば以降、政策金利を合計100ベーシスポイント(bp)引き上げている。

ルピアは6月初めに対ドルで過去最安値に下落したが、その後の緊急利上げと、米・イランの暫定和平合意を受けた世界市場の心理改善を追い風に一部値を戻した。

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