[シドニー 30日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は30日に公表した6月の理事会議事要旨で、成長が鈍化する中でも経済の過剰需要を抑えるため、金融政策は制約的であり続ける必要があるとの見解を示した。中東情勢が依然としてインフレの上振れリスクとなっていると指摘した。
議事要旨によると、理事会は今年3回の利上げ後、政策金利を4.35%に据え置くことが、インフレと雇用の目標のバランスを取る上で最善と判断した。
それでも、必要であれば追加利上げを行う用意があるとした。
理事会は「2月以降の金融引き締めが経済に及ぼす最終的な影響を評価するにはなお時間がかかるが、現段階ではおおむね予想通りの効果が出ているようだ」とし、住宅市場が予想以上に弱含んでいると指摘した。
一方で、経済が依然として過剰需要に直面しており、インフレは2─3%の目標を引き続き大きく上回っていると指摘した。
5月の消費者物価指数(CPI)は前年比4.0%上昇。コアインフレ率は3.6%にやや加速した。
理事会は「トレンドを下回る成長局面を通じて現在の過剰需要を解消するため、金融政策は制約的であり続ける必要があるとの認識で一致した」とした。
中東紛争が早期に解決すれば、企業がコストの上昇を消費者物価に転嫁する度合いが低下する可能性があるとする一方、紛争は全体としてインフレの上振れリスクだとの見方を示した。
理事会は6月15─16日に開催され、原油価格が下落する前だった。北海ブレント先物は先週1週間だけで10%下落した。
原油価格が戦争前の水準まで下落したことを受け、市場ではオーストラリアの金利がピークに達した可能性が高いとの見方が広がっており、年末までの利上げ織り込みはわずか10ベーシスポイント(bp)にとどまる。利下げも再び視野に入っており、2027年末までに17bpの緩和が見込まれている。
議事要旨では、理事会が生産性の伸びの根強い弱さを引き続き懸念していることも示された。これはインフレ率の目標への回帰を妨げる可能性がある。
一方で、消費の伸びを抑制しかねない住宅市場の大幅な弱体化リスクも指摘した。シドニーとメルボルンの住宅価格はここ数カ月下落しており、住宅ローン金利の上昇や住宅投資への課税変更案を受けて需要が打撃を受けている。
理事会は「物価の安定と完全雇用を実現するという責務に引き続き注力し、必要であれば政策金利の引き上げを含め、必要と判断する措置を講じる」とした。