[東京 30日 ロイター] - 30日の東京外為市場で、ドルが162円前半へ上昇し、約40年ぶりの円安水準を付けた。堅調な米景気を背景に米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が高まっている一方、日銀の政策対応の遅れを警戒する動きもあり、ドル買い/円売り圧力が強まっているとの見方が出ている。

朝方、161円後半で推移していたドルは、午前10時前に162円台へ上昇。一時162.41円まで上昇した。

ニッセイ基礎研究所の上席エコノミスト・上野剛志氏は「高市政権の骨太方針で、日銀の追加利上げをけん制するような文言が入るとの報道で、日銀の政策対応がビハインド・ザ・カーブ(後手に回る)に陥るリスクが高まるとの思惑で、円安が進んでいる」と指摘する。

外為どっとコム総合研究所の神田卓也シニア為​替アナリストは「162円にノックアウトオプションがあったとみられ、ヘッジの取り直しのニーズが出てくる見方が多い」と指摘。162円に乗せたことで、改めて円を売らなければならない投資家が増えることを踏まえると、「162円に定着しそうなムード」だという。

今後のドル/円については、円安地合いが継続するとの見方が聞かれる。ニッセイ基礎研究所の上野氏は「骨太方針や食料品の消費減税など、財政拡張を意識させるようなイベントが控えているため、円の下値を探るような動きになりそうだ」と話している。

一方、政府・日銀による為替介入への警戒感もくすぶる。市場では「162円を(介入の)ラインとみている可能性もあり、目先のドルは162円を挟んだ攻防が続きそうだ」(外為アナリスト)との声が聞かれた。

あおぞら銀行​の諸我晃チーフ・マーケット・ストラテジストは「ドルサイドも利上げ期待が行き過ぎの面がある」と指摘する。今週発表が予定される一連の雇用関連指標が弱ければドル売りが促され得るとの見方を示す。

片山さつき財務相は30日、「足元の為替動向に具体的コメントしない」としたうえで、必要に応じて適切に対応する考えを示した。為替対応には「断固たる措置が含まれることは日米間で確認している」と述べた。

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