Heekyong Yang Hyunjoo Jin Heejung Jung

[ソウル 23日 ロイター] - グローバルな人工知能(AI)ブームは、韓国の半導体大手SKハイニックスとサムスン電子を株式市場の寵児(ちょうじ)に押し上げただけではない。両社の従業員も、競争が激しい韓国の結婚市場において「格付けトップ」に急上昇している。

韓国の結婚相談所によると、両社の社員は現在、医師や弁護士、その他の伝統的なエリート職種と並ぶ格付けを得ている。AIブームに伴う巨額のボーナスにより、富裕な会社員という新たなクラスが誕生した格好だ。

またキャリアコンサルタントによると、求職者の間でサムスンとSKハイニックスへの就職志望者が増えており、その中には高校生も含まれる。一部の塾は、両社の採用面接対策に特化したコースを開設し始めた。

結婚相談所ビアン・アレのソン・ドンギュ最高経営責任者(CEO)は「かつてSKハイニックスとサムスン電子の社員は『B+』や『A-』に分類されていたが、今では『A+』に近くなっている」と話した。「伝統的に、『A+』には医師、弁護士、その他の高給の専門職、あるいは並外れた資産家一族が含まれてきた」という。

サムスンとSKハイニックスの株価と利益は過去最高を記録し、両社の社員は手厚いボーナスを支給される見通しだ。SKハイニックス株は22日、サムスンを抜いて韓国で時価総額トップの企業となった。

SKハイニックスは昨年ボーナス体系を改定。サムスンは5月、半導体部門の一部社員に対する約41万6000ドルの成果ボーナスを含む賃金協定を労働組合と締結した。政府のデータによると、2024年の韓国の労働者の平均年収は約4500万ウォン(約470万円)だ。

結婚相談所スヌー(SUNOO)のコンサルタント、イ・ソンミ氏は「医師、弁護士、歯科医師といった伝統的な専門職は依然として人気が高い」が、「最近ではSKハイニックスで働いている人を紹介すると、『わあ、(登録者には)そんな人もいるんですか?』という反応がよく返ってくる」と語った。

<進路にも影響>

医師や法律家が長年憧れのキャリアだった韓国において、半導体ブームは教育の進路も変化させつつある。

半導体工場の職種の中には高卒の資格しか必要としないものもあるため、大学ではなく専門高校を目指す生徒さえ出てきた。

サムスン電子に半導体設備エンジニアとして就職が内定した専門学校、平沢(ピョンテク)マイスター高校の生徒、ジョン・ソンチャンさん(19)は「多くの友人からうらやましがられている」とし、「正直言って、最近は大学に進学しても仕事を見つけるのが難しい。最近ここの人気が高まっているのは、それも理由ではないか」と語った。

大学のキャリアアドバイザーや教授、学生も、キャンパス内でこの変化を肌で感じていると口をそろえる。サムスンとSKハイニックスは長年、韓国で一流の財閥系企業と見なされてきたものの、医師や弁護士に比べれば魅力は劣っていた。

元サムスン社員で、今は大学生向けのキャリアコンサルタントを務めるパク・ジュンヨン氏は「(サムスンやSKハイニックスに入るための)競争は激化している」とし、「大学の受験競争に似た様相を示し始めている」と語った。

高麗大が2021年にSKハイニックスと共同で開設した半導体工学科には学生の人気が集中し、同科の合格基準スコアは本年度に過去最高を記録した。

同科1年生のク・ボンホさんは、半導体エンジニアの仕事は長期的に見て確実な選択肢だと語る。「友達と比べて、就職の見通しについては比較的安心している」

韓国では雇用不安が広がっており、15─29歳の若年層失業率は2025年に6.1%と、前年から0.2%ポイント上昇した。

高麗大半導体工学科のイ・ヒョンミン教授は、輸出の40%以上を半導体に依存する韓国において、業界がようやくその重要性に見合った評価を受けるようになったと話す。

結婚コンサルタントのイ氏も、半導体セクターの魅力と好況がすぐに衰える可能性は低いとの見方を示し、「多くの人々が、半導体産業は少なくとも今後2、3年は好況サイクルを維持すると考えている」と説明した。

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