[シドニー 25日 ロイター] - オーストラリア統計局が25日発表したデータによると、5月の雇用は回復し、失業率は予想通り低下した。労働市場の底堅さを示す内容で、インフレ抑制のために必要な場合、オーストラリア準備銀行(中央銀行)による追加利上げを後押しする可能性がある。
就業者数は前月比4万0300人増加した。4月は4万0600人減少(改定値)していた。
市場予想の3万人増を上回ったものの、4月分の大幅な下方改定で相殺された形となった。
失業率は予想通り、4.5%から4.4%に低下した。労働参加率は66.7%にやや上昇した。
ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントのアジア太平洋担当エコノミスト、クリシュナ・ビマバラプ氏は「前日発表されたインフレ統計はまちまちな内容だったが、労働市場が持ち直したことで、中銀は金利を長期間据え置くことができる」と指摘した。一方で「より大きなリスクは目標レンジへの回帰を阻む粘着的なインフレだ。このため、年内の追加利上げの可能性は引き続きあるとみている」と述べた。
就業者数の増加はおおむね予想されていたが、増加の大半がパートタイム雇用によるもので、弱さの兆しもみられた。労働時間も1.1%減少した。
統計発表後、短期的な金利見通しはほとんど変化していない。市場が織り込む8月の利上げ確率は依然として約20%で、第3・四半期の消費者物価指数(CPI)発表後の11月には約12ベーシスポイント(bp)の引き締めが見込まれている。
ただ、原油価格が紛争前の水準に戻ったことで、市場は2027年後半の利下げの可能性を織り込み始めている。豪ドルは0.2%下落し、3年物国債利回りは4bp低下して4.371%と、3月以来の低水準を付けた。
豪中銀はインフレを抑制するため、今年これまでに3回利上げを実施し、政策金利を4.35%とした。
AMPの副チーフエコノミスト、ダイアナ・ムシナ氏は「今回のデータは、経済の状況が依然インフレ的であることを示すシグナルだ」と指摘。「良好な雇用情勢が家計所得を高い水準に維持し、エネルギーなどの物価上昇という逆風にもかかわらず、個人消費を押し上げている」と述べた。