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[ロンドン 23日 ロイター] - 英国が2016年の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)を決めたことはその後、同国経済を圧迫し続け、離脱の原動力となった根深い構造問題をさらに複雑化させた。

インフレから金融サービスに至るまで、その後10年間の英経済を物語る指標を以下に示す。

<国民1人当たりの経済成長>

エコノミストは大方、ブレグジットが英国の経済成長に打撃を与えたとの見解で一致している。ただ、ちょうど離脱が完了した時期に襲った新型コロナウイルスの世界的大流行による影響を切り分けるのは困難だ。

英国は国民1人当たりの経済成長が先進7カ国(G7)の中で6位。最下位は変化しつつある世界の貿易環境への適応に苦戦しているドイツだ。

ブレグジット以降の歴代政権は、国内景気の本格的なてこ入れに失敗した。英経済は成長が停滞し、長期的な生産性の伸びは低調にとどまっている。

離脱支持者らは、英国はEUからの独立により長期的に見れば柔軟性を確保できるとし、離脱が経済に及ぼす影響についての最悪シナリオは実現していないと主張している。

一部のセクターは健闘しており、特にフィンテック、ライフサイエンス、人工知能(AI)といった分野は英国が世界的に強い地位を維持している。

だがエコノミストらは、こうした好調な分野でさえ、幅広い経済を圧迫している投資の低迷や政治の不安定性、貿易摩擦による逆風を受け、想定よりも低調にとどまっていると言う。

<インフレ>

公式統計によると、英国は離脱を決めた国民投票から2026年5月までに消費者物価が41.4%上がり、上昇率はオーストリアを除く西欧のどの国よりも高い。

国民投票後のポンド安やロシアのウクライナ侵攻など、当初は一時的要因による物価上昇だったのが、インフレ抑制の失敗という根深い問題と化した。

イングランド銀行(英中央銀行)の元金融政策委員でピーターソン国際経済研究所の所長を務めるアダム・ポーゼン氏は、英国は不安定な政治と脆弱な財政、低調な生産性の伸びという弱い経済統治を通じ、構造的にインフレが起こりやすくなったと指摘。「米国が世界経済に保険を提供しない世界において、EUに属さず、米国と完全に連動しているわけでもない英国は、過去数十年と比べ基本的に無防備な立場にある小規模で開かれた経済国だ」と述べた。

<金融サービス>

2015年に英国の金融サービス輸出はフランス、ドイツ、アイルランド、オランダ、イタリア5カ国の合計を大きく上回っていた。24年時点では5カ国の合計が英国を上回り、ブレグジットによりロンドンが欧州市場を支配する構図が弱まったことが示された。

調査会社ニュー・ファイナンシャルによると、英国の金融サービス部門による経済生産は2015年から25年にかけて27%減少。国際金融における12部門のうち10部門で英国の市場シェアは低下した。

ただロンドンは欧州の圧倒的な金融サービスセンターおよび外国為替市場の最大拠点としての地位を維持している。

<設備投資>

ブレグジット以降の先行き不透明な貿易環境が英国の設備投資を圧迫している。英国の設備投資は2016年半ば以降で約12%増加したが、同じ期間にフランスは23%、米国は48%それぞれ増えた。ドイツは景気の低迷により1%増にとどまっている。

<債券>

10年物国債の標準偏差でみると、英国債はG7の中で最も変動が激しい国債だ。

その結果、英国債は「安全資産」としての地位を失った。

英国の高インフレは金利予想を押し上げ、英債券の利回りは上がって資金調達を圧迫している。

スターマー首相が22日に辞意を表明したことは、脆弱な政治情勢を浮き彫りにした。英国では10年間で7人目の首相が近く就任する。

2022年に当時のトラス首相が打ち出した財政方針を受けて英国債相場が急落した際にも、債券市場の脆弱性が露わになった。

<ポンド>

ポンドは2016年の国民投票前と比べてドルとユーロに対して約10%安い水準にある。これは輸入コストを押し上げ、インフレの問題を悪化させている。ポンドは政治の不安定性に影響されやすくなっており、22年の「トラスショック」の際にはドルに対する過去最安値を記録した。

ステート・ストリート・マーケッツのマクロ戦略責任者、マイケル・メトカルフェ氏は「ポンドはおそらく他の多くの主要通貨よりも高い利回りを提供しているが、全般的には利回りからうかがえるほど堅調には推移していない。ポンドの利回りからは、政治リスクのプレミアムが高まっていることが読み取れる」と述べた。

<株式>

中型株で構成されるFTSE250種指数はブレグジットの国民投票以降、実質ベースで2%下落した。これに対しフランスとドイツの株価指数は配当前のインフレ調整後の上昇率がそれぞれ13%、19%となっている。

優良株で構成されるFTSE100種指数は今年、過去最高値を更新したが、米国市場および他の欧州市場と比べると大幅なディスカウントとなっている。

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