Michael S. Derby

[17日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォーシュ議長は17日、金融政策運営に関わる主要な側面を見直す広範な取り組みを発表した。FRBの保有債券の管理については、いかなる短期的な見直しもかなり先になることを示唆する動きとなった。

ウォーシュ氏は連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で「幅広い金融政策運営の中核を成す5分野それぞれにタスクフォース(作業部会)を設置する」と述べた。

その上で「タスクフォースは今後数週間以内に活動を開始する見通しで、秋ごろからある程度の情報や、彼らの見方の枠組みが出始め、全てではないにせよ、大部分が年末までに結論を出すことを期待している」と語った。さらに「それぞれの独立したタスクフォースには、経済学界の内外を問わず、最も優れた人材を起用する」と述べた。

作業部会はFRBのインフレへの対応、コミュニケーション、経済データの活用、生産性と雇用について検証するほか、ウォーシュ氏がかねて問題視してきたFRBのバランスシートの問題も取り上げる。

<バランスシート問題>

2005─11年にFRB理事を務めたウォーシュ氏は、FRBのバランスシートが膨張したことを以前から嘆いており、FRBが過剰に債券を保有していることが経済に悪影響を及ぼしていると主張し、論議を呼んできた。

同氏は経済危機時に取得した大量の保有債券が市場のシグナルをゆがめ、本来は選挙で選ばれた公職者が下すべき決定をFRBに迫っていると考えている。

一方、現職のFRB当局者や多くのエコノミストは、現行の金融政策運営の仕組みは短期金利の制御において非常にうまく機能しており、市場がゆがめられているとの見方は正確ではないと反論している。

17日のFOMC声明には「金融システムにおける十分な準備預金を維持する方針を再確認した」との文言があり、ウォーシュ氏はバランスシート問題を巡る現状維持に一定の余地を与えた格好となった。

FRBは先週、短期金利の制御を維持するために準備預金を下支えする技術的措置の一環として、今後1カ月にわたり財務省短期証券(Tビル)の購入を継続すると発表した。これによりFRBの保有資産規模は拡大することになる。購入がいつまで続くかは不明で、ニューヨーク連銀当局者は今後の購入について、市場環境次第になるとしている。

FRBはこれまで、市場が緊張した際の安定化策として、また短期金利の誘導目標がゼロ近辺にある局面で金融緩和効果を補強する手段として、積極的な債券購入を活用してきた。さらに、金融システムが大量の流動性を保有することを前提とした一連の金利制御手段も構築してきた。

FRBの保有資産は一定水準を下回ると、短期金融市場の引き締まりが望ましくない変動を引き起こし始めるため、削減できる規模には限界がある。流動性規制の変更により保有資産を相当程度縮小できるとの見方は多いものの、20年前の金融政策運営に戻ることを望む声はほとんどない。

専門家は、システムの複雑さを踏まえると、FRBのバランスシートを巡る大きな変更が実現するには時間がかかるとみている。

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