Ann Saphir

[ワシントン 16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は17日に金利政策とともに四半期ごとの経済・金利見通しを公表する。注目は連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの見通し分布(ドットチャート)だが、ここで問題になるのは議長就任後初めての会合となるウォーシュ氏がどこに点(ドット)を入れるか、そしてそもそも記入するかどうかだ。

FRB改革を掲げるウォーシュ氏は、議長会見、フォワードガイダンス、ドットプロットなどの情報発信に否定的な立場を取っている。

ウォーシュ氏がドットを入れるのか、エコノミストの見方は分かれる。

リージョンズ・バンクのチーフエコノミスト、リチャード・ムーディ氏は先週、「ウォーシュ氏は、この作業をいかに軽視しているかを示すために、参加しない可能性もある」と述べた

TDセキュリティーズも不参加を予想。その理由として「6月のドットチャートが示唆し得るタカ派トーンを薄めるため」とした。

JPモルガンのチーフ米国エコノミスト、マイケル・フェロリ氏は、参加すると予想。「参加しないのは、FOMCに対する意地悪な反対意見のように見えるだろう」と述べた。

その他、ウォーシュ氏が参加しつつも、FRBのコミュニケーション見直しに着手し、最終的にはドットチャートが廃止されるとの見方が出ている。

確かに、就任してわずか3週間のウォーシュ氏にしてみれば、一定期間、状況を見てから予測に参加したいと考えていてもおかしくない。

また、ドットを入れることは新たなリスクを生む可能性がある。トランプ大統領が望むほど同氏がハト派ではないと示すことだ。これは、FOMCメンバーの構成と関係がある。トランプ氏が昨年、FRB理事に指名したスティーブ・ミラン氏の不在だ。

ミラン氏は一貫して利下げを主張し、ドットチャートでもひときわ低いところにあるドットはミラン氏のものとされてきた。今回のドットチャートでは、ミラン氏のドットがなくなるため、自然に上方シフトし「タカ派」トーンを醸す。

現在は理事のパウエル氏は議長時代、経済予測は大きく外れることが多く、ドットは予測でも約束でもないと繰り返し説明していた。アナリストらは、ウォーシュ氏がパウエル氏との違いを演出しようとするだろうが、ドットチャートについてはパウエル氏の説明を踏襲するとみている。

ロイターが9日までにまとめた調査では、年内は政策金利据え置きとの見方が大勢だった。

しかし、今週、米国とイランが戦闘終結に向けた覚書に署名し、深刻なインフレ要因だった原油価格が下落。これを受けて、シティバンクは3回の利下げを予想する。

エバーコアISIのクリシュナ・グハ氏は、「新人FRB議長は非常に微妙な舵取りを迫られるだろう」とし、「タカ派過ぎれば、利上げ観測から株式市場が下落する。ハト派に傾き過ぎると、長期金利とブレークイーブンインフレ率が上昇し、やはり株価に影響する」と指摘した。

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