Inti Landauro
[パリ 16日 ロイター] - フランス首相府は16日、国内情報機関の対内治安総局(DGSI)が米ソフトウエア企業パランティア・テクノロジーズのツールを仏企業チャップスビジョン製に切り替える方針を発表した。実際の移行には数年かかる見通し。
ルコルニュ首相が「X」への動画投稿で移行の方針を明らかにした。
一方、パランティア側は2025年末に数年延長したDGSIとの長期契約が「引き続き全面的に有効だ」と表明。これを受けて首相府は、チャップスビジョンのシステムが完全に統合されるまでは「機能の空白を避けるため」パランティアのツールの利用を継続すると説明した。
チャップスビジョンは取材要請に応じなかった。
欧州各国の政府の間では、米技術基盤への依存に対する警戒感が強まっており、とりわけパランティアの製品に対して慎重な姿勢が広がっている。
パランティアは米中央情報局(CIA)の支援を受けて、富豪のピーター・ティール氏が創業。軍事レベルの人工知能(AI)を活用したデータ統合ツールを政府機関や企業に提供している。
ルコルニュ氏は投稿で「われわれは自前のAIモデルを活用しなければならず、デジタル分野で新たな戦略的依存を受け入れることはできない」と強調。「外国勢力が開発したツールに頼るわけにはいかない。フランスは独自のツールを持たなければならない」と訴えた。
ドイツ軍は既にパランティア製品を今後使用しない方針を示している。英国では政治家や議会からの圧力を受け、国民保健サービス(NHS)がパランティアと結んでいる3億3000万ポンド(約4億4000万ドル)のデータ管理契約の見直しを進めている。
ルコルニュ氏によると、フランス政府はAI分野に6億5500万ユーロ(約7億6000万ドル)を投じ、全行政機関で共通利用できるチャットボットを整備する計画だ。