Saqib Iqbal Ahmed Laura Matthews
[ニューヨーク 16日 ロイター] - 12日に米ナスダック市場に上場した米宇宙・衛星通信会社スペースXは16日、オプション取引の初日を迎えた。取引は活況で、初日の企業別取引高としては最多となり、投資家の強い需要が浮き彫りとなった。
トレードアラートのデータによると、16日のスペースXのオプション取引は約180万枚に達し、これまでの初日取引高記録だった2012年のメタ・プラットフォームズ(当時はフェイスブック)の約36万5000枚を大きく上回った。
シカゴ・オプション取引所(Cboe)グローバル・マーケッツのデリバティブ市場情報担当バイスプレジデント、ヘンリー・シュワルツ氏は「これほどの状況は見たことがない」とし、スペースXのオプションが人気を集めるとは予想されていたものの、取引高はそれでも「印象的」だったと語った。
金額ベースでは、約28億ドル相当のスペースXオプションのプレミアムが取引された。
マインドセット・ウェルス・マネジメントのセス・ヒックル最高投資責任者は「初期のオプション取引高は、スペースXのまた1つの成功を示している」と述べた。
オプションは保有者に対し、当該企業の株式を一定期間内に所定の価格で売買する権利を付与する。投資家にとっては低コストで当該株へのエクスポージャーを得る手段となり、リスクヘッジや価格変動を見込んだ投機にも利用できる。
マーケットメーカーであるサスケハナのデリバティブ戦略共同責任者クリス・マーフィー氏は、スペースXのオプション取引が活発だったとし、「投資家は依然として、高ベータの人工知能(AI)・宇宙関連の勝ち組銘柄の上値追いを続けている」と述べた。
トレードアラートのデータによると、スペースXのコールオプションとプットオプションの比率は1.3対1でコールが上回った。コールは特定の期日までに設定価格で株式を購入する権利が、プットは売却する権利が得られる。
オプション分析サービスのスポットガンマ創業者ブレント・コチュバ氏は、オプション需要は強気のコールに偏っており、それが取引序盤の株価押し上げに寄与したとみられると指摘した。
オプションディーラーが自身のリスクをヘッジするために株式を売買するため、オプション取引量の増加は株価の乱高下要因となることがある。
16日に目立った取引の一つは、9月限の大規模なヘッジの購入だった。これは9月までに株価が205ドルを下回ることに備えるものだ。直近の終値は201.80ドルだった。
サスケハナのマーフィー氏は、タイミングを踏まえると、この取引は8月の新規株式公開(IPO)ロックアップ解除による一部株式の放出を控えた下落リスクのヘッジを反映している可能性が高いと述べた。
トレードアラートによると、16日の個別銘柄別オプション取引高において、スペースXのオプションはテスラとエヌビディアに次ぐ3番目の大きさだった。
スペースXは上場以来、株価が堅調に推移。16日の取引では時価総額がアマゾン・ドット・コムを上回り、トップ5の一角に名を連ねた。
Cboeのシュワルツ氏は、取引所のデータに基づくと、同日のオプションフローは主に個人投資家主導だったとみられると述べた。
オプション市場のデータおよび分析を提供するAsym500の創業者ロッキー・フィッシュマン氏はリポートでスペースXのオプション取引が活発な理由として、株式取引量の多さやオプション取引が活発なテスラとの投資家層が重複していること、ヘッジ需要などを挙げた。