米国とイランは、戦争終結に向けた初の合意に達した。中東を揺るがし、世界市場にも混乱をもたらした今回の戦争をめぐり、双方はそれぞれ自らの成果を強調している。

6月14日に発表された覚書(MOU)は、6月19日に署名される予定だ。まだ恒久的な和平を実現するものではないが、それでもイラン・イスラム共和国は、最大の目標だった体制維持を果たしたと言える。米国とイスラエルによる前例のない共同軍事作戦にさらされながらも、生き残ったからだ。

さらにイランは、ホルムズ海峡を通過する国際的な石油・ガス輸送に影響を及ぼす能力を誇示した。戦火はサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など湾岸協力会議(GCC)加盟国にも波及し、イランは同盟勢力であるレバノンのヒズボラに対するイスラエルの攻撃停止を米国に要求するまでの影響力を持つに至った。

一方、米国はイラン最高指導者アリ・ハメネイ師をはじめとする最高指導部の排除と、イラン軍事力の大幅な弱体化という成果を手にした。

だが、ドナルド・トランプ大統領が誇る戦場での勝利には不確実性も付きまとう。ハメネイ師の後継者となった息子モジタバ・ハメネイの下で、イランがかえって強硬姿勢を強めるとの見方が出ているためだ。

米ジョージ・ワシントン大学エリオット国際関係大学院のシナ・アゾディ助教授は本誌に対し、「イランは、米国とイスラエルを同時に相手にして戦う意思と能力を示したことで、以前よりもはるかに強い国として浮上した。今後は地域でより自信を持って行動することになるだろう」と語った。

「全面戦争には至らない水準で米国とイランの衝突が続く新たな常態」が生まれる可能性もあると、アゾディは指摘する。

根本問題は未解決
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