Ellen Zhang Kevin Yao Qiaoyi Li
[北京 16日 ロイター] - 中国国家統計局が16日発表した5月の経済指標は、鉱工業生産の伸びが加速した一方、小売売上高は3年超ぶりに減少したほか、投資も低迷し、不均衡が拡大していることを示した。
鉱工業生産は前年同月比4.5%増と、4月の4.1%増から加速した。ロイターがまとめた市場予想(4.3%増)も上回った。
世界的な人工知能(AI)投資の急増が追い風となり、中東情勢の混乱で予想されていた輸出への打撃を相殺した。ただ、5月に19.4%増加した輸出の好調は、国内消費にはまだ波及していない。
消費指標の小売売上高は0.6%減と、4月の0.2%増からマイナスに転じ、市場の横ばい予想も下回った。減少は2022年12月以来。
5日間の労働節連休でさえ消費者の気分を盛り上げるには至らず、政府の消費財買い替え制度の効果も徐々に薄れつつある。昨年5月が高水準だったことによるベース効果も減少の一因となった。
保銀投資(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は「小売売上高の低迷は、消費を安定させるための政策措置を検討するよう政府に圧力をかけている。第2・四半期GDP(国内総生産)発表後の7月に政策の『微調整』が行われると依然として見込んでいる」と述べた。
今回の統計は、中国経済の二極化した成長パターンを浮き彫りにした。輸出部門が好調を示す一方、長引く不動産不況の中で内需は悪化している。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、徐天辰氏は「5月の経済はいくつかの分断によって特徴づけられた。すなわち、内需と外需の分断、AIと伝統産業の分断、そして財小売りとサービス消費の分断だ」と指摘。第2・四半期の経済成長率については、第1・四半期の5%から4.5%に鈍化すると予想。「2026年通年で4.5─5%の成長目標を達成することは難しくないだろうが、内需の低迷は依然として下半期における政策介入を必要としている」と語った。
<投資の低迷深刻化、不動産なお足かせ>
投資も予想を大きく下回った。1─5月の固定資産投資は4.1%減と、1─4月の1.6%減からマイナス幅が拡大した。市場予想は2%減だった。
国家統計局はこの減少の一因として、一部地域での高温や豪雨に加え、旧来の成長エンジンから新たな成長エンジンへの移行を挙げた。その上で、新型都市化、農村振興、「新たな質の生産力」の発展、公共サービスの改善など、今後も投資の余地は十分にあると付け加えた。
1─5月の不動産投資は前年同期比16.2%減少し、1─4月(13.7%減)から落ち込みが拡大。5月の新築住宅価格は前月比0.2%下落し、下落ペースがやや加速した。
全国調査ベースの失業率は5.1%と、4月の5.2%から低下した。