Oliver Hirt
[チューリヒ 15日 ロイター] - パートナーズ・グループなどの資産運用会社で最近混乱が生じたことを受け、機関投資家はプライベート市場の動向により目を光らせ、慎重姿勢に傾いている。複数のスイスの年金基金コンサルタントが明らかにした。
パートナーズ・グループは今月、解約請求の増加に伴って主要なエバーグリーン型(満期を設定せず継続的に運用される)プライベートエクイティ(PE)ファンドの払い戻しを制限し、市場を動揺させた。ブラックストーンも大手プライベートクレジット・ファンドで同様の措置を講じ、懸念が広がっている。
投資家は、大手資産運用会社が運営するプライベートクレジット・ファンドの融資で表面化した問題に注目しており、バリュエーション(資産評価)や貸付基準、さらには主な融資先のソフトウエア企業が人工知能(AI)の課題にどう対処できるかといった点を精査している。
コンサルタントらの話では、プライベート市場への投資のリターンはハイテク株主導の株価上昇がもたらすリターンに劣後しており、それが資金流出を促しているという。
資金流出の主体は個人投資家で、彼らは一般的にボラティリティーや短期的な値動きに素早く反応する傾向がある。
機関投資家は投資を引き揚げてはいないが、戦略をより厳選するようになっているという。
コンサルティング会社プレバントのステファニー・スポジオ氏は、機関投資家はこれまでのところ資産配分を維持しているものの、場合によっては新規の投資コミットメントを遅らせる可能性があるとの見方を示した。
またコンサルティング会社PPCメトリクスのロマーノ・グルーバー氏は、投資家心理がこれまでよりも慎重になっており、投資家は商品、特にその流動性条件をより綿密に調査していると述べた。
年金アドバイザー、コンプレメンタのトーマス・ブライテンモーザー氏は、幾つかの顧客が神経質になり、パートナーズ・グループについて問い合わせてきていると明かした。
ブライテンモーザー氏は、一部の年金基金が既存の投資プログラムを再投資せずに満了させることで、最終的にプライベート市場のエクスポージャーを削減する可能性があると付け加えた。
C-almのベニータ・フォン・リンダイナー氏はプライベートクレジットについて、実現可能性に疑問があるにもかかわらず、安易な流動性条件をうたって販売されたファンドがあることに懸念を示した。
リンダイナー氏の分析では、プライベート市場における運用会社間の成績の差は顕著になってきている。
同氏は「今後数週間で、本物とそうでないものが選別されることになる」と言い切った。