Lili Bayer Andrew Gray
[ブリュッセル 15日 ロイター] - ウクライナは15日、欧州連合(EU)との加盟交渉の「第1段階」を正式に開始した。
ウクライナのカチュカ副首相はルクセンブルクでの交渉が始まった後、記者団に「われわれにとって、これはまさにルビコン川を渡るような画期的な瞬間だ。ウクライナ社会全体が、EU加盟こそがわれわれの夢だと信じている」と語った。
ゼレンスキー大統領は、EU加盟を外交政策の核心的な目標に据えており、ロシアの侵略に直面する中で、自国と欧州全体の両方の長期的な繁栄と安全を確保するための道筋として提唱してきた。
EUとウクライナの実務レベルの代表者がルクセンブルグで最初の交渉分野となる一連の政策課題の協議に入り、ウクライナ側は自国の法令をEUの基準に合わせるための改革が必要となる。
ウクライナの改革努力や将来のEU加盟を目指す方針は、欧州各国政府から強い支持が得られている。ただ複数の外交官の見立てでは、ウクライナのEU加盟に向けた道のりは複雑で長い過程をたどりそうだ。
加盟プロセスにおいて、候補国は「チャプター」と呼ばれる個別政策項目に関する交渉を進める。複数のチャプターは基本的人権、EU域内市場、対外関係などを含む6つのテーマ別の「クラスター」にまとめられている。
今回話し合われる最初のクラスターは「基本事項」と呼ばれ、EUが最重要視する司法制度や民主的制度の機能、公共調達などの課題を対象としている。
コス欧州委員(EU拡大担当)は「ウクライナは戦場で勢い付いている一方、EU内で繁栄し、安全なウクライナに向けた道筋も築いている」と述べ、ウクライナに改革努力を継続するよう促した。
また「社会全体が一致団結し、ウクライナが築きつつある勢いをつかみ取ることが必要だ」と付け加えた。
EU首脳は2023年12月にウクライナ、モルドバとの加盟交渉開始に合意したものの、ハンガリーの前政権がウクライナ加盟に反対したため、本格的な交渉に乗り出すことができずにいた。
ただハンガリー新政権が今月、ウクライナ国内のハンガリー系少数民族の権利についてウクライナと合意。これを受け、EUとウクライナが最初のクラスターの交渉に入る態勢が整った。