[北京 12日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)のデータに基づくロイターの算出によると、5月の人民元建て新規融資は5200億元(770億ドル)となった。4月の100億元の減少から回復したものの、市場予想には届かなかった。長引く不動産不況が引き続き家計の借り入れ意欲を抑えた。

ロイターがまとめたアナリスト予想は5500億元、前年同月は6200億元だった。

人民銀行は月次の内訳を公表していない。ロイターは12日に発表された1─5月のデータと1─4月の数値を比較して5月分を算出した。

1─5月の新規融資は9兆1100億元で、前年同期の10兆6800億元を下回った。低調なビジネス環境や消費低迷、不動産不況による資金需要の弱さを浮き彫りにした。

5月の住宅ローンを含む家計向け融資(ロイター算出)は1412億元減少で、4月に続き減少。一方、企業向け融資は3900億元から6400億元に増加した。

5月末時点の人民元建て融資残高は前年同月比5.5%増の281兆0200億元。伸び率は4月の5.6%から鈍化したものの、アナリスト予想とは一致した。

ロイターは、人民銀行が4月に続き、5月も融資を拡大するよう一部の主要国有銀行に非公式な指導を行ったと報じている。

キャピタル・エコノミクスはノートで、「人民銀が先月、銀行に融資拡大を促したと報じられているにもかかわらず(融資の伸びが鈍いこと)は、銀行融資の伸びを制約する主な要因が供給ではなく、継続的な需要不足であることを浮き彫りにしている」と指摘。信用の伸びの弱さは、不動産危機を背景とした住宅ローン需要の落ち込みや、政府の消費財買い替え制度への資金供給が縮小したことなどによる短期的な家計融資の減少を反映していると述べた。

人民銀傘下の金融時報は12日の論説で、「すでに非常に大きい融資基盤」と多様な資金調達チャネルを挙げ、融資の伸び鈍化は経済への金融支援の弱体化を意味するものではないと指摘。「新規融資の規模は実体経済への支援の強さと必ずしも一致しない」とし、経済が不動産のような信用集約型セクターから、借り入れへの依存度が低いテクノロジーやサービスに移行する中、効率性の向上に焦点を当てるべきだと付け加えた。

5月のマネーサプライM2(広義の通貨供給量)は前年同月比8.6%増で、ロイターがまとめたアナリスト予想の中央値である8.5%増を上回った。4月は8.6%増だった。

マネーサプライM1(狭義の通貨供給量)は前年同月比5.5%増。4月は5%増だった。

広範な信用と流動性の指標である社会融資総量残高は前年同月比7.7%増となり、4月の7.8%増から減速した。国債発行が加速すれば、こうした融資が押し上げられる可能性がある。

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