「シンプルで質の高い日本ブランド」という位置付けが強く感じられ、国内よりもブランド価値が高く見られている印象もありました。単なる雑貨店ではなく、ライフスタイルそのものを提案するブランドとして浸透し始めているようです。
実際、東アジア事業では生活雑貨や食品、ヘルス&ビューティ分野が伸びており、売上増加にともなって販管費率も改善しています。ASEAN諸国ではタイやベトナムの旗艦店戦略が成功し、既存店の収益改善にもつながっています。
ここで重要なのは「海外で人気がある」という段階を超えて、「海外でしっかり利益を稼げる企業」へと変わり始めている点でしょう。
というのも、過去の日本企業には「海外売上は伸びても利益が残らない」というケースが少なくありませんでした。しかし現在の良品計画は、出店計画や生産管理、在庫管理などの改革が進み、利益を伴う海外成長へ移行しています。株式市場がその評価を変えるのも当然の成り行きといえそうです。
アジア成長株としての市場評価と期待
良品計画に対する株式市場の評価は、2025年後半までは「国内消費関連株」という見方が強く、景気敏感株として買われる場面も多くありました。しかし2026年に入り、その流れが変わりました。
1月発表の第1四半期で海外事業の好調が認識され、さらに4月の中間決算で海外事業の収益拡大や上方修正と増配を発表したことで、「アジア成長株」として見直す動きが強まったのです。株価も年初来高値まで上昇し、PERも国内小売株よりも高い水準を許容する動きが出始めています。
もちろん、現在の株価には好業績期待がかなり織り込まれています。そのため、中国景気の減速や為替変動、海外出店の採算悪化などには注意が必要でしょう。東アジア事業の利益率が高いだけに、ここに変調があると市場評価は再び大きく変わる可能性もあります。
それでも、いまの株価上昇は単なる「アジアで無印人気が高まっている」という話では終わりません。株価は常に期待を先取りして動くもの。良品計画はいま、「国内小売株」から「アジアで利益を生み出す生活ブランド企業」へ着実に歩み始めています。