Joe Cash

[北京 9日 ロイター] - 中国税関総署が9日発表した5月の貿易統計によると、輸出(ドル建て)は前年同月比19.4%増となり、伸び率は4月の14.1%から加速し、ロイターがまとめた市場予想の15%も上回った。

半導体や自動車のほか、世界的な人工知能(AI)ブームを支えるハイテク製品への底堅い需要が押し上げた。イラン紛争に伴うエネルギー価格ショックが幅広い需要に重しとなる中、政策当局にとっては安心材料となった。

世界的なAI投資の急増は、中東情勢による輸出への打撃を相殺するのに寄与しており、今のところ当初予想されたほどの悪影響は出ていない。ただ、エネルギーコスト上昇に絡む在庫積み増しの動きは弱まりつつあり、価格が上昇する中、海外バイヤーが停戦を待ちながら在庫を取り崩しつつある兆候も出ている。

輸入は27.4%増。こちらも4月の伸び率25.3%から加速し、予想の25%増を上回った。

貿易黒字は1054億3000万ドルとなり、前月の848億ドルから拡大した。予想は921億ドルだった。

ANZのシニア中国ストラテジスト、シン・ジャオペン氏は「半導体価格の上昇が引き続き輸出を支えている。メモリー価格は前月比20%上昇し、集積回路の輸出は111%の伸びとなった」と指摘した。

自動データ処理装置の輸出額は前年同月比66.1%の急増となり、ハイテク製品は50.9%増、自動車の出荷は39%増だった。

シン氏は先行きについて「AIを巡る物語は終わりにはほど遠い。半導体が中国の貿易構造を塗り替えつつある」と述べた。

AIブームはデータセンターや先端電子機器を支える半導体への旺盛な需要を生み出し、中国の製造業の強みを活かしてきた。

ただ、AI以外の分野では勢いが鈍り始めていることを示す兆候も見られる。例えば家具の輸出は5月は前年同月比1.9%増にとどまり、玩具は7%減、靴類は10.4%減となった。

月初に発表された5月の製造業活動に関する別の指標では、新規輸出受注が2年ぶりの高水準だった4月から大きく落ち込んだ。

5月の地域別輸出は、欧州向けが前年比7.6%増、米国向けが35.4%増、東南アジア向けが24.3%増となった。

韓国からの輸入は83.6%増と急増した。中国は韓国にとって最大の半導体市場となっている。

貿易統計を商品別の内訳でみると、5月の原油輸入は29%減と、過去8年間で最低の水準に落ち込んだ。世界最大のエネルギー輸入国である中国が購入を手控え、市場関係者を驚かせた。世界の原油価格の抑制に寄与し、トランプ米大統領のイランへの軍事行動が引き起こしたエネルギーショックを部分的に和らげた。

一方、レアアース輸出は5490トンと、4カ月ぶりの高水準に達した。

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