[チューリヒ/ロンドン 3日 ロイター] - スイスに拠点を置くオルタナティブ資産運用会社パートナーズ・グループは3日、傘下の86億ドル規模のプライベートエクイティ(PE)ファンド「グローバル・バリューSICAV」の解約を制限したと発表した。
これを受けて人気の高いオルタナティブ投資のリスクに対する投資家の懸念が再燃し、世界的な資産運用会社の株価下落を招いた。
約1850億ドルの資産を運用するパートナーズは解約制限の理由として、2025年末以降にプライベートクレジットを巡る問題に端を発してオープンエンド型の「エバーグリーン・ファンド(満期がなく募集と解約を繰り返して運用が続くファンド)」全体に及ぶ業界規模のボラティリティーを挙げた。
エバーコアISIのアナリスト、グレン・ショア氏は、投資家が資金の引き出しを求めたことで一部のプライベートクレジット会社が解約制限を設定したのに続き、大規模なPEのエバーグリーン・ファンドとして初めて追随したパートナーズの動きは、極めて重大だと指摘。「投資家はプライベートクレジットを超えた波及リスクを考慮し、リテール(個人向け)トレンドのいかなる減速に対しても過敏になっている」と語った。
パートナーズは声明で、純解約請求額が「グローバル・バリューSICAV」の純資産価値(NAV)の5%を超えたと発表した。
今回の動きは、PEファンドも価格変動や顧客の不安と無縁ではないことを示しており、チューリヒ市場で同社の株価は16%下落して6年ぶりの安値を付けた。
パートナーズのデービッド・レイトン最高経営責任者(CEO)はブルームバーグTVに「プライベートクレジットで始まった解約圧力の一部が、他の資産クラスにも波及し始めている」と語った。
解約の大部分は個人投資家によるものだったが、同社の投資家の80%は長期の機関投資家だ。
ウィズダムツリーの調査担当ディレクター、アニカ・グプタ氏は、個人富裕層の顧客はPEファンドにとって弱点で、彼らは通常機関投資家よりも資金の引き出しが早いと付け加えた。
さらに「エバーグリーン・ファンドはPEの流動性を得る方法として個人投資家に販売されたが、PEは本質的に流動性が低い。多くの人々が一斉にその約束を試そうとすると、ゲート(解約制限)が閉じることになる」と説明した。
一部の投資家は、通常株式に投資するPEファンドの不透明なバリュエーションや人工知能(AI)向け投資について懸念を表明しており、パートナーズの声明がそれらの不安をさらに助長した形だ。
このためスウェーデンのEQT、CVCキャピタル・パートナーズ、英国のブリッジポイント・グループ、米国の資産運用大手のブラックストーン、KKR、TPG、アレス・マネジメントなどの株価がいずれも売り込まれた。