Atsuko Aoyama
[東京 3日 ロイター] - 午前のドルは一時、約1カ月ぶりに160円ちょうどに上昇した。中東情勢が再び混沌としてきたことで原油先物価格が上昇したほか、米国の雇用関連指標が堅調で、ドル買い意欲は強い。食料品の消費税減税を高市早苗首相が月内に判断するとの報道も円売り材料視されたという。ただ、為替介入への警戒感は根強く、160円を明確に上抜けることなく上昇は一服した。
159円後半で推移していたドルは、朝方からドル買い優勢となり、一時160円ちょうどと4月30日以来約1カ月ぶり高値を更新した。160円を付けた後は、いったんドル売りが優勢となった。
戦闘終結に向けた合意の覚書(MOU)策定に向けたイランと米国のやりとり停止を伝える報道で不透明感が増し、原油先物価格が上昇。実需筋や投機筋ともにドル買い意欲が強い。今夕の日銀の植田和男総裁の講演内容次第では、円売りに弾みが付く可能性も意識されている。
一方、午前中は片山さつき財務相が為替の円安について「必要に応じていつでも適切に対応する」と発言。直後の値動きは限定的だったものの、介入への警戒感が上値を抑えているとの見方は根強い。
前日には、このところ上昇が抑制されていた159.80円近辺を上抜けてポジションが軽くなったことで、きょう午前中は「ドル/円ショートの方が動きやすかった可能性」(国内金融機関の為替ディーラー)もあるとの見方がある。
植田日銀総裁の講演については、6月の利上げ観測が優勢となる中で仮に利上げ姿勢を維持しても円高材料とはならず、「円安抑制程度にしかならないのではないか」(あおぞら銀行の諸我晃チーフ・マーケット・ストラテジスト)との声が聞かれる。
仮に6月利上げに関して「尻込みしているような話ぶり」(前述の国内金融機関の為替ディーラー)であれば、円安が加速しかねないとの警戒感もある。