5月の日本株市場はAI半導体関連銘柄の力強い牽引により、日経平均株価は66,000円まで上昇しました。そんな中、電線株の一角としてこれまで大きく上昇してきたフジクラ<5803>の株価が劇的な急落を見せ、「フジクラショック」とも呼べる激震が走りました。

AIデータセンター向け光ケーブル需要への期待から買われてきたフジクラの株価は、年初から見ても2.7倍にまで膨らみ、5月14日には上場来高値である7,933円を記録しました。しかし、そこからわずか1週間足らずで、ほぼ半値まで売り込まれる事態となったのです。

増益予想でも市場が失望した理由

上場来高値をつけた数日後の5月19日、フジクラは今期(2027年3月期)の業績見通しと新たな中期経営計画(中計)を発表しました。これが投資家の高い期待を裏切る形となり、株価急落を招きました。

2026〜2028年度を対象とする中期経営計画で同社は、最終年度となる2029年3月期において、売上高1兆6000億円、営業利益3150億円(営業利益率19.7%)を目指す目標を掲げました。生成AI向けデータセンター需要の急拡大を追い風に、光配線ソリューション製品への成長投資を加速させる方針を示しています。

さらに、主力製品である光ファイバーケーブルの生産能力を引き上げるべく、日米で最大3000億円の投資を実施する計画です。3年間の累計営業キャッシュフロー6200億円のうち、成長・戦略投資に5300億円超、株主還元に2200億円(配当性向40%目安)を充てるとしています。

3150億円という営業利益目標は、昨期(2026年3月期)の1887億円と比較しても約7割増で、決して低くない数字です。しかしながら、株式市場の期待はこれを遥かに上回っていました。事前の市場予想の平均は実に4605億円で、これを大幅に下回る結果となったのです。

さらに、2028年度の目標として掲げられた自己資本利益率(ROE)28.5%が投資家の期待には届かなかったことも、株価下落の一因となりました。岡田直樹社長自身も、決算発表後の株価の動きについて「多少、期待が高かった」との見方を示しています。

失望売りを加速させた供給制約とは?
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