問題は、この循環が続いた場合、民主主義の前提そのものが崩れる可能性があることだ。民主主義は、制度以前に「最低限フェアに扱われている」感覚に支えられている。

もし社会全体が「どうせ全部出来レースだ」という認識を共有し始めれば、人々は対話や制度より「露骨に味方を守ってくれる強い側」へ引き寄せられやすくなる。

そして実際、今の世界各地でのポピュリズムの拡大には、その気配が濃厚に漂っている。その手の権力が「信者」を守る保証など、実際は驚くほど希薄なのだが。

マライ・メントラインマライ・メントライン
MAREI MENTLEIN
ドイツ北部キール出身。2度の留学を経て2008年から日本在住。独TV局プロデューサーや翻訳、通訳、執筆、コメンテーターなど幅広く活動する自称「職業はドイツ人」。近著に『日本語再定義』(小学館)など。

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