──『セールスマンの死』が今の時代にもこれほど強く響くのはなぜだろう。
時代によって観客への響き方は違う。父と息子というテーマは今も観客と共鳴しているけれど、「自分はきちんと努力してルールどおり生きてきたのに、なぜもっと先に進めないのか」という戸惑いは、舞台袖でセリフを聞いている私に毎晩、突き刺さる。
──ブロードウェイの2作はどちらも経済的困窮や日常生活の重圧を扱っている。演劇には今の社会を語る特別な力があるのだろうか。
『リトル・ベア』で(劇作家の)サム・ハンターは、お金に苦しむ人々をとことんリアルに描こうとしている。誰もが行き詰まっていて前に進めない。その感覚が今の観客に切実に響くのだろう。
──『ロザンヌ』のジャッキーは象徴的なキャラクターだ。
私は彼女を反抗的な被害者のように思っている。諦めずに挑戦するけれど、いつも何かしら別の問題が起きて、彼女は必ずしも責任を取るわけではない。
優れた脚本家たちが俳優の強みを見抜いて役を書いてくれるなかで、9シーズンも1つの役を演じながら成長できたことが、強いキャラクターを固めていく。彼女は決して諦めない、そこが私は好き。
次のページ