Andrius Sytas

[ビリニュス 20日 ロイター] - リトアニアは20日、ドローン(無人機)1機が領空を侵犯したとして「航空危険」警報を発令し、国民に避難を呼びかけるとともに、首都の空港で航空機の運航を停止した。前日19日にはエストニアで北大西洋条約機構(NATO)機がウクライナから飛来したとみられるドローンを撃墜するなど、このところ、NATOと欧州連合(EU)の加盟国であるバルト地域で安全保障上の脅威が相次いでいる。

ビリニュス地域では鉄道の運行を停止し、学校や幼稚園に対して子どもをシェルターに避難させるよう指示した。議員や閣僚が在席していたビリニュスの国会議事堂でも警報が出された。

地下シェルターでロイターの取材に応じたカウナス国防相は、軍用機が脅威の無力化を試みていると述べた。「NATOの航空警備ミッションが発動され、リトアニア領空で探知されたドローンを標的としている」と語った。

国防相はその後、ドローンはラトビアから飛来したと明らかにした。当局によると、ドローンが墜落したのか、リトアニアを離れたのかは不明。NATO戦闘機もドローンを発見できなかった。

この事態は約1時間続き、その後警報は解除され、航空便と鉄道の運行は再開された。

ウクライナを強く支持するバルト3国は、一連のドローン飛来について、ロシアがウクライナのドローンを本来の標的から進路変更させていると主張しているが、その主張を裏付ける証拠は示していない。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、バルト3国の領空をドローンが飛行している状況をロシア軍が注視しており、適切な対応を策定していると述べた。ロシア国営タス通信が20日に報じた。ロシアは、バルト3国が自国領土からウクライナにドローンを発射させていると非難しているが、バルト3国はこれを強く否定している。

NATOのルッテ事務総長は20日、「ドローンがウクライナから飛来しているとすれば、それはウクライナがラトビアやリトアニア、エストニアにドローンを送りたかったからではない。ロシアの無謀かつ違法な全面攻撃があるからだ」とした。

エストニアのミハル首相は20日、議会で軍用ドローンの脅威に対処するためのより広範な権限を求めていると述べ、探知・対応能力の強化と重要施設の防護における不備の解消を目指す考えを示した。

スウェーデン国防大学のドローン専門家、ハンス・リーヴォング氏は、ウクライナのドローンが全地球測位システム(GPS)や全球航法衛星システム(GNSS)など衛星ベースの通信システムで誘導されている場合、技術的にはドローンを操作し、ある程度進路を変えることは可能だと指摘する。ウクライナのドローンはイランやロシアのシャヘド型ドローンと類似しており、地上の携帯電話の信号を追跡して航行することも可能だという。その上で、「もしロシアがドローンをバルト3国上空に誘導することに成功しているのであれば、これまでに確認された数よりはるかに多くのドローンが飛来していたはずだ」とし、他国の領空を侵犯したとみられるドローンの数が比較的少ないことは、ロシアがドローンを操作する能力は限定的であることを示唆していると述べた。

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