イラン戦争が自立の背中を押した
ウクライナに不可欠な防空能力を含む米国の資源は、イランのドローンやミサイル攻撃がペルシャ湾の米軍および同盟諸国を脅かしたため、中東に振り向けられた。
イラン攻撃の影響は兵器以外の分野にも表れ、米国はロシアに対する経済制裁を一部緩和した。
スコット・ベッセント米財務長官は、イラン戦争によるエネルギーの供給不足を軽減するため、海上輸送中のロシア産原油について、各国が輸入を続けられる猶予措置を導入した。ロシアにとっては、一時的とはいえ戦費調達の助けになる。
ウクライナは今後も、地対空ミサイルのパトリオットや防空迎撃ミサイル、情報支援、外交的な後ろ盾を米国に求め続けるだろうし、そうせざるを得ない。
しかしイラン危機は、米国の余力、備蓄、政治的インセンティブが別の方向へ移動すると、世界的に支援縮小、補充遅延、同盟国間競争が発生することをはっきり示した。ウクライナの作戦立案者もそれを見て、自立の必要に迫られた。
モスクワ近郊へのドローン攻撃による軍事的損害は、標的や迎撃率によって異なるだろう。しかし、政治的影響は明らかだ。戦争がロシア市民にとってますます身近なものになり、クレムリンが国民を戦争から隔離するのはより困難になっている。
多くの市民は、経済的苦痛、空港閉鎖、インターネット障害、さらには首都近郊への攻撃などを通じ、日常生活のなかの戦争を体験している。
ロシア当局は戦勝記念日の規模を縮小したが、ドローン警戒のためのインターネット遮断は企業や住民の怒りを招き、親政権派の軍事ブロガーたちも防空の失敗を公然と疑問視し始めた。
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