[ロンドン 18日 ロイター] - 英国企業に対する外資からの買収提案が急増しており、2026年の英国での企業合併・買収(M&A)は記録的な水準となる勢いだ。26年に入ってからのM&A総額は前年同期の3倍を超える1920億ドルに達し、LSEGが集計を始めた1980年以降の同時期として2番目の高水準だ。
26年に入ってからのM&A総額は前年同期の3倍を超え、25年通年の総額1940億ドルに迫る水準だ。金額ベースでみると、英国を対象としたM&Aは世界全体の発表額のうち10%と、15年以来の高水準になっている。
今年の主な案件には試験分析サービスのインターテック、金融のシュローダー、日用品大手ユニリーバの食品部門への買収提案のほか、米食品原料大手イングレディオンによる同業テート&ライルに対する13日の買収提案などが含まれる。
LSEGのデータによると、インターテックの取締役会は先週、プライベート・エクイティ(PE)企業EQTによる94億ポンド(127億ドル)の買収提案を推奨する意向を表明。実現すれば、英国のPEによる買収の規模としては2007年のドラッグストアチェーン、アライアンス・ブーツの買収以来の大きさとなる。
英国でM&Aが加速している一因は、株価が割安なことがある。FTSE100指数は、欧州や米国の株式市場に対して割安な水準で取引されている。英国株は24年ほどの「お買い得感」はないものの、ここ数カ月で米国株と比較してさらに割安になっている。
クリフォード・チャンスのパートナー、ドミニク・ロス氏は「好機をとらえた戦略的な再編が続いており、顧客企業は自社のビジネスに実質的な変化をもたらすような、大規模かつ複雑な案件を追求している」と述べた。
<予測可能な市場>
買い手が英国を標的にするもう1つの理由は、買収に関する環境が予測可能な点にある。ロス氏は「英国は実績があり、信頼できる市場だ」と語る。
LSEGによると、2026年に入ってからの英国のM&A発表額を押し上げているのは外資による買収で、その総額は年初来で過去最高の1650億ドルだった。
26年に入ってからの英国でのM&A総額のうち、外資による買収が占める割合は86%と過去最高になり、前年同期の74%大きく上回った。
外資による英企業買収の半分超を占めたのは米国勢。ロス氏は「われわれが目にしている活動の多くは米国から英国への資本流入であり、これは英国の上場株が相対的に割安であるという認識が続いているためだろう」とみている。
もっとも、英国の国内総生産(GDP)に対する割合で見れば、M&Aは過去のピーク時より依然として低い水準にある。
LSEGと英国国家統計局(ONS)のデータによると、2000年にはM&Aが英GDPの26%を占めた。25年は5%で、26年第1・四半期は14%へ跳ね上がった。