Lewis Krauskopf Laura Matthews

[ニューヨーク 18日 ロイター] - 債券利回りの急上昇が株式市場のリスク要因として再浮上しており、特に米国株の一角が悪影響を受けやすくなっている。

赤字や借金頼みの中小企業は売りの標的になる。消費者関連や住宅関連など景気に敏感なセクターも下落する恐れがあり、米国債利回りの上昇によって有配企業は配当利回りの魅力が失われかねない。

テック株も、半導体など最近急上昇した銘柄を中心に売り圧力にさらされる可能性がある。

サビー・アドバイザーズの資産運用マネジャー、ジョシュア・バローン氏は「将来のキャッシュフロー、低コストの債務、プライベート市場での評価、あるいは消費の底堅さに価値の大半を依存している銘柄は、利回り上昇によって大きな衝撃を受ける」と指摘した。

中東紛争に起因するエネルギー価格の上昇がインフレ懸念と世界的な利上げ観測を招き、18日も世界中で債券市場が動揺した。10年物米国債利回りは一時4.631%と、昨年2月以来の高水準を付けた。

国債利回りの上昇は株価を圧迫する傾向がある。特に米国株は過去最高値近辺で推移しているため、影響を受けやすいかもしれない。

企業と消費者の借り入れコストは上昇し、経済成長と企業利益の重しとなる。また、債券利回りの方が株式の配当利回りよりも魅力的になる可能性がある。

<小型株が標的に>

多くの中小企業は債務による資金調達に頼っており、債券利回りが上昇すると借り入れコストが高まる。金利上昇による景気減速の影響も、中小企業の方が被りやすい。

マニュライフ・ジョン・ハンコック・インベストメンツの共同チーフ投資ストラテジスト、マシュー・ミスキン氏は「小型株の方が消費者と資本市場への依存度が高い」とし、「いずれも金利上昇によって圧迫される可能性がある」と説明した。

黒字化していない中小企業も多く、つまり株価が将来のキャッシュフローに強く結びついている。投資家が安全な米国債から高いリターンを得られるようになれば、こうしたキャッシュフローの魅力はあせる。

小型株で構成されるラッセル2000指数は15日に2.4%下落した。

<消費者、住宅関連株に逆風>

トゥルイスト・アドバイザリー・サービシズのキース・ラーナー最高投資責任者(CIO)は、一般消費財および小売り関連株は「二重の打撃」に直面していると話す。「貸出金利も石油価格も上昇している。これらは消費者にマイナスとなる2つの要因だ」

小売り株と消費関連株にほぼ均等に投資する上場投資信託(ETF)、「インベスコS&P500一般消費均等ウェートETF」は15日に1.3%下げ、年初来では8%の下落となった。

同日は住宅関連株も売り込まれ、PHLX住宅株指数は3.3%下落した。

マインドセット・ウェルス・マネジメントのポートフォリオマネジャー、セス・ヒックル氏は「1年で最高の住宅購入シーズンに入ろうとする今、粘着的なインフレと金利上昇が長引く見通しとなった」と指摘。「住宅購入を検討している人々は考え直すかもしれない」と話した。

国債利回り上昇が逆風になりそうな高配当セクターの一つが公益部門で、LSEGのデータによると同セクターの配当利回りは2.9%と、S&P500社の平均の2倍以上だ。

もっとも、公益株は安全資産と見なされており、経済環境が悪化すれば魅力が増すかもしれない。

<テック株は利回り上昇を乗り切れるか>

収益期待の高いテック企業など高成長企業は、株価が将来のキャッシュフローに依存する度合いが高いため、利回り上昇は波乱要因になる。テック株の多いナスダック総合指数は15日に1.5%下落した。

テック株はナスダックとS&P500種総合指数に占めるウェートが大きいため、利回り上昇の打撃を被れば市場全体に並外れた影響を及ぼしかねない。

クエスター・キャピタル・パートナーズのリチャード・ライルCIOは「債券市場の急上昇が続けば、株式市場におけるテックセクターの主導的役割は脅かされる可能性がある。市場にバブル的な状況が見られる現在は特にそうだ」と記した。

ミスキン氏も「テック株は買われ過ぎており、これだけ上昇した後なのでクールダウンが必要な時期に差しかかっている」と言及。その上で「ファンダメンタルズ的には、テック株は(他のセクターに比べて金利上昇への)免疫が強いと考えている」と話した。

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