移民政策の衝突
ESTA申請と承認の急増は、トランプ政権下で他国からの訪問者が直面してきた監視の強化や障壁とは対照的だ。
現在、39カ国が全面的または部分的な渡航禁止の対象となっており、新規ビザは発給されていない。他国からの非移民ビザ申請者も、承認の条件としてビザ保証金の支払いを求められてきた(ただし、トランプ政権は、W杯を目的として訪米することを証明できる人々については、この要件を免除した)。
第2次トランプ政権発足後に導入された、申請者のSNSに対する審査強化や、国境での電子機器に関する制限といった政策も、移民支援団体や観光業界から批判を浴びてきた。
移民支援団体や観光業界が懸念する訪問者数急減は2025年に現実となったというデータもある。
DHSが不法滞在の疑いがある人々の拘束を強化していることを受け、スポーツ観戦も含め、アメリカで休暇を過ごそうと考えている人々に対しても、注意を促す声が上がっている。
2026年4月には市民団体や人権団体などの120を超える団体が、渡航警戒情報に似た形式で、米国への渡航に注意を促す警告を発表した。
これに対し、アメリカ旅行協会のジェフ・フリーマン会長はこれに対し、本誌の取材の中で反論している。
「われわれは、潜在的なビザ手数料、SNS審査、旅行先としてのアメリカの競争力低下につながる政策に反対し続けている。そのことは、トランプ政権に対しても直接伝えている……しかし、訪米は安全ではないと呼びかけて旅行を思いとどまらせることは、まったく別の話だ」
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