アメリカの若者の「恋愛欲」に異変が起きている。原因は物価上昇などの経済的圧力だ。

金融機関BMOが2月に発表した米消費動向調査によれば、デートの価値がコストに見合わなくなったと考える独身者の割合は47%。背景には、1回当たりのデート費用が昨年比で12.5%上昇し、189ドルに達している現実がある。

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3月に米成人1538人を対象に行われた調査を基に、金融サービス企業JGウェントワースが発表したデータでは、コスト圧力のせいでデートをキャンセルしたことがある人が87%に上っている。

「若年層がデートや共有型の娯楽に背を向けているのは、単なる嗜好の問題ではない」と、JGウェントワースのショーン・マーフィー副社長(デジタルマーケティング担当)は本誌に語る。「急激に厳しさを増す経済環境への合理的反応の表れだ」

物価高のせいで、恋人探しもできない現状は「デート不況」を引き起こしていると、米シンクタンクの家族研究所は指摘する。若年層の社会的交流の喪失や「将来的な婚姻率低下」が懸念されるという。

専門家に言わせれば、コストを原因とするデート離れは、貧富の2極化が進む「K字型経済」の新たな兆候だ。家計が圧迫され、節約を迫られる消費者が増えるなか、今やデートも「金持ちだけのもの」になり始めているのか。

「デート支出がインフレ率を超えるペースで上昇する状況では、恋愛は手の届かない贅沢だと、シングル層が感じるのも当然だ」とBMOの米消費者戦略責任者ポール・ディルダは記す。「愛も経済的進歩も手に入れるのは、かつてなく困難になっている」

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大きな打撃を受けるのは若年層
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