Jan Wolfe Andrew Goudsward

[ワシントン 18日 ロイター] - トランプ米大統領は18日、自身の税務申告情報がメディアに漏洩した問題で財務省と内国歳入庁(IRS)に対して起こした訴訟を取り下げた。

この訴訟はIRSの契約職員がトランプ氏の税務情報を不正に取得してメディアに提供したことが理由。トランプ氏は情報の適切な管理がなされていなかったとして100億ドルの損害賠償を請求したが、自らが統括する政府機関を訴えるケースは前代未聞とされた。

今回トランプ氏が訴訟を自主的に取り下げる代わりに、当事者間の和解協議の結果として司法省は、「政府による不当な捜査・訴追の武器化」で被害を受けた人々に補償するために約18億ドル規模の基金を設立することを決めた。

トランプ氏自身は謝罪を受けるものの、金銭的な補償は一切受け取らない。

ただこうした訴訟とその結果としての和解は、税金をトランプ氏の政治目的のために利用する試みだとの批判が広がっている。

下院司法委員会の野党民主党トップ、ジェイミー・ラスキン議員は声明で「このケースは、財務省から税金を奪い取り、巨大な裏金(スラッシュ・ファンド)に注ぎ込むために設計された『ゆすり行為』にほかならない」と非難した。

司法省はこの「反武器化基金」への申請に党派的な要件はないとしている。総額17億7600万ドルは、1776年の米国独立宣言の署名にちなんだ数字という。

トランプ氏がかかわる3つの刑事事件で弁護人を務めた経歴を持つトッド・ブランシュ司法長官代行は「以前に行われた過ちを正し、二度とこのようなことが起こらないようにすることが当省の意図だ」と説明した。

司法手段の武器化という言葉は、2021年1月6日の連邦議会襲撃事件から派生した問題で訴追されたトランプ氏とその同盟者らが、そうした動きを表現するために頻繁に使用している。

一方トランプ氏やその政治的同盟者に対する事件を担当した連邦検察官らは、それらの刑事事件化が政治的な動機に基づく、あるいは法制度の乱用だといった主張を繰り返し否定してきた。

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