Andrius Sytas Tom Balmforth
[タリン 18日 ロイター] - エストニア対外情報庁のロシン長官はウクライナ情勢を巡り、ロシアのプーチン大統領にとって有益な選択肢はほとんどないとの見方を示した。ロシア軍は戦場で大きく前進できず、西側の制裁がプーチン氏のリソースを少しずつ奪っていると指摘した。
ロイターのインタビューで、ロシアは新規募集を上回る規模で兵士を失っており、総動員に踏み切れば極めて不人気で安定を損ないかねないと述べた。
「こうした要因が重なり、ロシアでは上層部を含む一部の人々が自分たちは大きな問題を抱えていると認識する状況が生まれている。プーチン氏がどう考えているかは分からないが、こうした要因は全て同氏の意思決定に影響し始めていると思う」と語った。
ロシン氏はロシアの財政状況について、「これほど悪化している」主因は金融部門への制裁が「非常に大きな打撃」となっていることだとの考えを示した。ロシアの石油輸出に対する制裁措置も収入を圧迫しているという。
「ロシアにとって今は極めて難しい選択を迫られている状況だ。現状で何を決断するかを予測するのは難しい」と語った。
<和平に向けた「大きな進展」の兆候なし>
別の欧州情報機関トップは、ロシアへの圧力が強まる兆候があるのは明らかだが、それが戦争におけるロシアの判断を変える兆しは今のところないと述べた。「ロシアがドンバス地域全体を手に入れるという目標を捨てるとは考えにくい。そしてロシアは基本的に急いでいない」と語った。
また、ロシアが戦争目標を軟化させる動きを見せている様子はなく、近く何らかの「大きな進展」があるようにも見えないと述べた。
ロシア社会は強靭だと指摘し、「ロシア指導部が何らかの形で揺らいでいる、あるいはプーチン氏が(国内で)挑戦を受けているというのは希望的観測にすぎない」と語った。
ロシン氏はプーチン氏が権力の座にとどまる限り、ロシアはウクライナを従属させるという目的を放棄せず、紛争終結後もウクライナ国境に相当規模の軍を維持するとの見通しを示した。
戦闘終結後、ロシア政府はNATOとの国境沿いで軍を拡張し、「北極から黒海まで」の「軍事的優位」を追求するだろうと述べた。