「枢軸」の結束を突き崩す「急所」とは

中国にとって、ロシアはあくまで利用価値のある相手だった。安いエネルギーを供給してくれる上、アメリカの注意を引きつけてくれる。中国の北側にある緩衝地帯としても機能する。

ロシアの行動が中国の経済的安定を脅かし始めた瞬間、中国は態度を変えるだろう。欧州への貿易ルートを破壊すること、中国の銀行に二次制裁のリスクを及ぼすこと、湾岸の中国顧客を巻き込むより広範な対立に発展すること。そのような事態が起これば、中国はイランに対してそうしたように、対応を変えることになる。

いくら中国、ロシア、イランの結束にほころびが見えるとしても、アメリカが取るべきはロシアとの関係改善ではない。ロシアは依然として敵対的で、国際秩序を自国に都合よく変えようとする国である。そうでないかのように扱うのは、戦略上の重大な誤りだ。

しかし、ホルムズ海峡をめぐる今回の出来事は、中国、ロシア、イランの「枢軸」が、深い信頼や共通の理念で結びついているわけではないことを思い出させる。三者を結びつけているのは、西側からの圧力という側面が大きい。

制裁対象となる技術、ミドル・コリドー、湾岸地域のエネルギー供給体制……そのような急所を的確に突けば、その結束のほころびは見え始めてくる。

[筆者]

ジョセフ・エプスタイン(Joseph Epstein)

トルコ世界とペルシャ世界およびその周辺地域の現代の動向を研究する米トゥラン研究センターの所長。米ヨークタウン研究所の上級研究員でもある。

(本稿で示された見解は筆者個人によるものです)

【動画】中国もロシアもイランを助けなかった理由
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