ロシアもイランと同じ道を歩んでいる
現在は、その立場が逆転している。ロシアは好戦的な、衰退しつつある劣位のパートナーである一方、中国は慎重に台頭しており、冒険主義よりも安定と貿易の維持を重視する。
だからこそ、中国はホルムズ海峡をめぐってイランをかばわなかった。イランは中東で強硬な行動を続けた結果、すでに中国にほぼ全面的に頼らざるを得ない立場に追い込まれていた。
中国は、イラン戦争開戦までは、イラン産原油輸出のおよそ90%の輸出先となっていた。イランによるホルムズ海峡への機雷敷設や通行料の徴収が、中国のエネルギー安全保障に悪影響を及ぼし始めると、習近平の判断は明確だった。中国にとって、従属的な立場にあるイランをかばうために、タンカーの重要航路を危険にさらす理由はなかったのだ。
トランプによると、習近平はさらに踏み込み、中国はイランに軍事装備を供給しないと約束した。トランプの言葉を借りれば、それは「大きな発言」であり、イランにとっては壊滅的な発言であった。
中国のユーラシア戦略は、対等な同盟関係を築くことではない。相手国を中国に依存させ、都合のよいときには利用し、必要になれば従わせるのだ。イランは、そのやり方が最もはっきり表れた例だった。イランの強硬姿勢が西側への圧力になっている間は有用だったが、それが中国のサプライチェーンを脅かした瞬間、中国はイランをばっさり切り捨てた。
ロシアも今、同じ道を歩んでいる。ただ、イランよりスローペースなだけだ。
次のページ