「現代では前例がない」生活水準の停滞
スターマー政権の発足以降、平均週給はインフレ調整後で1%の伸びにとどまっており、約3%の物価上昇率に追い付いていない。シンクタンクのレゾリューション財団は昨年の報告書で、目下の生活水準の停滞は「現代では前例がない」と指摘する。
さらにウィーラーはスターマーの支持率下落の一因として、性犯罪で有罪評決を受けた米富豪ジェフリー・エプスタインと親しかったピーター・マンデルソンを駐米大使に任命したことを挙げる。この人事は、首相の判断力に対する疑念を招いた。この問題はスターマーにとって「まるでイカ墨を浴びせられたようなもので、完全には拭い去れない」と、ウィーラーは言う。
それでも、スターマーは強気の姿勢を崩していない。5月11日には、辞任すれば「国を混乱に陥れることになる」と続投の意向を示した。
だが党内では、既に後継候補が取り沙汰されている。名前が挙がっているのはウェス・ストリーティング前保健相、アンジェラ・レイナー前副首相、グレーター・マンチェスターのアンディ・バーナム市長などだ。
バーナムへの党内支持は強いが、下院議員ではないため党首選の出馬資格がない。まず補欠選挙に立候補して、下院議員になる必要がある。
地滑り的勝利で幕を開けたスターマー政権は今、「次は誰か」をめぐる抗争の中で、右派ポピュリストに政権を明け渡す悪夢に怯えている。