[ソウル 17日 ロイター] - 韓国の金民錫首相は17日、世界最大の半導体メーカー、サムスン電子の賃金・賞与を巡る労使交渉が行き詰まり、労組側がストライキを予告している事態について「緊急仲裁命令」といった強制介入手段を含めたあらゆる対応策を講じ、スト発生による損失を最小限に抑えたい考えを示した。
サムスン電子と労組は、18日に政府側の仲介者とともに賃金交渉を再開する予定で、深刻な混乱を招きかねないストに対する懸念を和らげる可能性がある。
こうした中で金首相は17日の閣僚との緊急会議後に「サムスン電子の半導体工場の稼働がわずか1日停止するだけで、最大1兆ウォン(6億6768万ドル)の直接的な損失が発生すると予想される」と強調した。
その上で「さらに心配されるのは、半導体製造ラインの一時的な停止が数カ月の稼働停止につながることだ」と述べ、ストによって原材料の廃棄が必要になった場合、経済的損害が最大100兆ウォンにまで膨らむ恐れがあると付け加えた。
緊急仲裁命令は、労働争議が国家経済や国民生活を損なう恐れがあると判断された場合に雇用労働相が発動できる。中央労働委員会が調停や仲裁を行う間、30日間にわたってストなどの労働争議行為が即座に禁止される。
この命令発動は極めてまれで、労組に融和的な現政権にとっては異例の措置となる。
労組は17日、仲裁圧力には屈しないとし、会社側が以前より不利な提案をしてきた場合には賃金合意には応じないと明言した。
金首相によると、サムスン電子は韓国の輸出の22.8%、国内株式市場の26%を占めるほか、12万人余りを雇用し、1700社のサプライヤーと取引しており、韓国経済において重大な役割を担っている。