[ソウル 15日 ロイター] - 韓国のサムスン電子の労働組合は15日、会社側が無条件で交渉を再開することを提案したものの、21日からのストライキを予定通り実施する方針を堅持すると表明した。これを受け、サムスン電子の株価は一時9.3%下落した。その後、サムスン労組幹部は金栄訓雇用労働相と面会し、「誠意を持って」経営陣との賃金交渉を再開する用意があると表明した。
賃金・賞与制度を巡る政府仲介の交渉は13日に一時決裂していた。労組は21日から18日間のスト計画を維持しつつ、6月7日以降に交渉に応じる意向を示した。ストが実施されれば、世界最大のメモリー半導体メーカーである同社の生産に影響が出る恐れがある。
サムスンの幹部は労組に交渉再開を呼びかけ、労使対立で混乱を招いたとして国民と政府に陳謝した上で、オープンな姿勢で交渉に臨み、合意に向けた努力を続けると表明した。
労組の声明によると、15日に金雇用労働相が労組事務所を訪れ、経営陣にメッセージを伝えると労組幹部に述べた。
労組は金氏に対し、会社側の労使交渉担当者の交代と、賃金合意に関する会社側の姿勢の具体的な変更を求めたという。
アナリストはこの日の株価下落の要因として、ストが生産に与える影響を巡る不透明感や顧客への納入責任を果たせるかどうかへの懸念を挙げた。
韓国の労働委員会も、ストを回避するため、労使双方に16日に再び政府仲介の交渉を実施するよう求めている。
政府当局者は、サムスンのストは何としても回避すべきだと懸念を示し、経済成長や輸出、金融市場に重大なリスクをもたらしかねないと警告している。
大統領府は15日、ストが回避されることを望むとした上で、全ての争議行為が30日間禁止される緊急調整権発動の段階にはまだ至っていないと表明した。
JPモルガンはリポートで、労組がより多くの労働者の参加を想定していることを踏まえ、ストの生産への影響は従来の予想を上回る可能性があると指摘。サムスンの営業利益への影響は21兆─31兆ウォン(140億8000万─207億9000万ドル)に達する可能性があると試算した。