Andrew Chung
[14日 ロイター] - 米連邦最高裁判所は14日、中絶薬に対するアクセスを容易にした2023年の連邦規則を巡り、連邦政府が中絶薬の対面での処方要件を廃止したのは違法だとして南部ルイジアナ州が起こした訴訟を退けた。規則を当面の間復活させて中絶薬を引き続きオンライン診療で処方し、郵送で配布することを認めた。
トランプ政権(共和党)は、食品医薬品局(FDA)のミフェプリストンに関する安全規制の見直しが続いているとしてルイジアナ州の訴えに反論。また、同州には原告適格がないとも主張した。
ニューオーリンズの連邦高裁は5月1日、中絶薬ミフェプリストンを受け取るために臨床医への対面受診を義務付ける以前の連邦規則の適用を命じた。ミフェプリストンの製薬企業ダンコ・ラボラトリーズとジェンバイオプロが上訴し、連邦最高裁が2社の主張を認めて連邦高裁の決定を取り消した。
最高裁の保守派のアリート判事とトーマス判事は反対意見を表明した。
アリート氏は14日の反対意見で「ルイジアナ州の取り組みはルイジアナ州のような法律を嫌ってその執行を阻もうとする一部の医療提供者、民間団体、州のために妨げられてきた」と述べた。
トーマス氏は製薬会社が「犯罪的な企業活動から生じる利益損失を理由に、不利な裁判所命令の執行停止を受ける権利はない」と主張した。
訴訟資料によると、ミフェプリストン(ブランド名:ミフェプレックス)はダンコの唯一の製品で、ジェンバイオプロも収益の大部分をジェネリック(後発薬)から得ている。
ミフェプリストンとそれに続くミソプロストールの2剤を併用する薬物中絶は米国内の中絶全体で約3分の2を占めており、妊娠10週以内の中絶に使用されている。
FDAはミフェプリストンが科学的根拠に基づいて承認されており、指示通りに使用されれば本来の目的のために引き続き安全で効果的だと説明。生殖医療の専門家たちは何百もの臨床試験、研究、医学的再検討がミフェプリストンの安全性を示しており、合併症が極めてまれにしか起こらないと指摘している。
ルイジアナ州は、23年に制定された連邦規則が違法であり、州による中絶のほぼ全面的な禁止にもかかわらず薬物中絶の急増を許しているとして25年にFDAを相手取って提訴した。ルイジアナ州は、FDAがミフェプリストンを服用する女性に及ぼす敗血症や大出血を含む深刻な副作用のリスクを無視したと主張していた。