本物のケアーがスクリーンに登場し、観客に手を振る
だが元カリスマプロレスラーがカリスマ総合格闘家を演じることが、それほどの離れ業だろうか。
初めてリングで敗北を喫した後、ケアーは両手に顔を埋めて泣く。これでザ・ロックのリングネームどおり岩のような無表情にひびが入るかと思いきや、カメラは彼に近づかない。その大皿のような手よりも巧みに、心の中のドラマを隠してしまう。
本物のケアーがスクリーンに登場し、観客に向かってさようならと手を振るラストシーンさえもが妙に平坦で、盛り上がらない。
観客に残るのは身も心もケアーになり切ったジョンソンへの畏敬の念ではなく、「この2人は結局、どんな人間なんだろう?」という疑問。興味はすっかり冷めている。
THE SMASHING MACHINE
『スマッシング・マシーン』
監督╱ベニー・サフディ
主演╱ドウェイン・ジョンソン、エミリー・ブラント
日本公開は5月15日
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